金融

顧客に不利な乗り換え販売 かんぽ生命、件数稼ぎが目的か

 かんぽ生命保険が、顧客に不利益となるような保険の乗り換え契約を勧めた疑いがあることが24日、分かった。昨年11月分の乗り換え契約2万1000件程度を自社調査したところ、不適切な販売の疑いがある契約が約5800件に上った。加入件数稼ぎを目的に行われた可能性がある。

 かんぽ生命を傘下に持つ日本郵政の長門正貢社長は24日の定例会見で「法令違反とは考えていないが(報道などで)、指摘されている側面はあったので反省している」と陳謝した。

 かんぽ生命は2017年10月に入院時の保険金を上乗せする医療特約の新商品の販売後、乗り換え契約がそれ以前の2倍に急増したことから調査に乗りだした。

 昨年11月の乗り換え契約約2万1000件のうち、同種類の保険の解約と新契約を行うなど「外形的にみて、乗り換えによる経済合理性が乏しい」と疑われる契約が約5800件あった。

 実態をつかむため、約300件を抽出して顧客に面談を行い、販売経緯などを直接確認した。同種類の保険を一度解約して再契約すると、受け取れる保険金額が乗り換え前と同額なのに、契約時の年齢が上がって支払う保険料が高くなりやすく、こうしたケースが疑われる案件を調査した。

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング