難培養アーキアの分離培養に成功/「エネルギーがゼロ」の束縛状態を観測
今回、理研を中心とした共同研究グループは、これまでにない高いエネルギー(20マイクロ電子ボルト)分解能を実現するために、100ミリケルビン以下の超低温で動作する走査型トンネル顕微鏡(STM)を新たに開発した。そして、トポロジカル超伝導体FeTe0.6Se0.4(Fe:鉄、Te:テルル、Se:セレン)の量子渦近傍の状態を詳しく調べた結果、エネルギーがゼロの束縛状態の観測に成功した。この状態は、通常の電子では説明することができず、量子渦に局在したマヨラナ粒子由来であることを強く示唆している。
本研究成果は、次世代の量子コンピュータの実現に向けたマヨラナ粒子の検出と制御法の基盤になると期待できる。
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【プロフィル】町田理
まちだ・ただし 2009年東京理科大学理学研究科博士後期課程修了、博士(理学)。物質・材料研究機構超伝導材料センター特別研究員、東京理科大学理学部助教などを経て、14年から現職。
■コメント=走査型トンネル顕微鏡を用いて物質中で起きる新現象の発見とその解明を行いたい。
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■8月25日に「理研サイエンスレクチャー in 函館」開催
理化学研究所は北海道函館市で開催する「はこだて国際科学祭」の会期中に、「サイエンスレクチャー」を開く。
本レクチャーでは、理研の研究者が植物と微生物の共生現象の解明とその産業利用を目指した研究を分かりやすくご紹介。地球規模での持続可能な食料供給や環境負荷軽減について考える。
開催日:2019年8月25日(日)
時間:11:00~12:00(10時30分開場)
対象:高校生・大学生・一般
会場:函館市中央図書館 視聴覚ホール(函館市五稜郭町26番1号)
定員:150人(先着順)事前申し込みはなし
参加費:無料
講演内容:微生物の力を利用して農業へ貢献する研究
講演者:市橋泰範 チームリーダー
理研 バイオリソース研究センター 植物-微生物共生研究開発チーム
関連イベント:はこだて国際科学祭 https://www.sciencefestival.jp/festival/