数時間の滞在ではあったが、筆者も葉山の魅力を味わうことができた。長者ヶ崎から眺める岬や砂浜で戯れる親子と愛犬。挨拶を交わす中年サーファーたち。途中通過した仙元山にはハイキングコースもある。山側に少し走ればアップダウンがあり、下り坂ではe-ゴルフの特徴の一つでもある回生ブレーキを利用して減速エネルギーを充電することもできる。4段階でブレーキ回生の強弱を選択できるので、筆者は急な坂を下るときに、減速レベルとブレーキ回生が最も強まる「B」レンジを積極的に多用した。逆に上り坂ではパワフルなモーターのおかげで軽快な走りが楽しめた。
EV未経験の人にもぜひ
最後の目的地、南葉山の山の上にあるBBQレストラン「THE HOUSE FARM」では、気持ちのいい日差しを浴びながら、町内の老舗牧場・石井ファームから仕入れた「葉山牛」や新鮮な野菜のグリルを堪能した。こちらの葉山牛は「肉が柔らかいメス牛を長期肥育することで『長く飼育しながら旨味を熟成させる』という手法で管理している」(石井ファームの石井裕一代表)そうだ。ここのレストランも発着ステーションのひとつなので、ドライブと食事を兼ねて訪れてみてはいかがだろうか。
ロングドライブはエンジンとモーターを併用するPHEVがお勧めだが、毎日の通勤や買い物など日常的な近距離移動にはEVが向いている。コンパクトで起伏もある葉山町周辺はEVの特性を生かしやすい環境であり、快適なドライブの最適のパートナーとなる。まだEVに触れた経験のない人にとっても、走り味や乗り心地を直接確かめる絶好の機会にもなるだろう。
岬から一望する美しい海岸線や、実際に食べた美味しい食事の写真-。試乗から数日たった今でも、葉山で撮影した写真をスマホで何度も見返している。e-ゴルフと一緒に、葉山でいい思い出が作れたということだ。このプロジェクトは2019年末まで実施中。皆さんもこれを機にEVで葉山巡りをしてはいかがだろうか。
《ヒトコト言わせて!》
フォルクスワーゲン グループ ジャパン広報部「フォルクスワーゲンと葉山町は『個性豊かなライフスタイルを大切にする』という共通の価値観からコラボレーションを行い、昨年より“e-HAYAMACATION”プロジェクトをスタートしています。排気ガスを出さず、エンジン音のない電気自動車e-ゴルフを、葉山町の住民並びに観光で町を訪れる方々にご利用いただくこの取り組みは、海や山など自然豊かな葉山町と調和し、気軽に乗れる“People's Car”として親しまれています」
【乗るログ】(※旧「試乗インプレ」)は、編集部のクルマ好き記者たちが国内外の注目車種を試乗する連載コラムです。更新は原則隔週土曜日。アーカイブはこちら
■主なスペック(e-ゴルフ)
全長×全幅×全高:4265×1800×1480ミリ
ホイールベース:2635ミリ
車両重量:1590キロ
モーター定格出力:100kW
最高出力:100kW(136ps)/3300-11750rpm
最大トルク:290Nm(29.5kgm)/0-3300rpm
トランスミッション:1段固定式
タイヤサイズ:205/55R16
定員:5名
航続距離:301km
ステアリング:右
車両本体価格:499万円