金融

かんぽ不適切販売 無断で契約書偽造 18年度、法令違反3件

 かんぽ生命保険の不適切販売問題で、顧客に無断で契約書類を偽造するなど3件の法令違反事例が2018年度に発生していたことが29日、分かった。保険を販売する郵便局員向けの社内文書に、不適切な営業手法例として記載されていた。いずれも過大なノルマを達成するため、不正に手を染めたという。既に金融庁に届け出た。

 違反事例は、4月に発行した社内文書「適正募集ニュース」に記載。偽造契約は、日本郵便の50代課長が、顧客に無断で保険契約申込書を作成して手続きした。顧客に加入したはずのない保険証券が届いたことで発覚。営業実績を上げられず、大きなプレッシャーを感じていたと説明しているという。

 文書は私文書偽造罪に問われる可能性もあると指摘し、郵便局員などに適正な営業を促した。

 このほか40代の課長代理は、顧客が病気で通院しているとの申し出を告知書に記載させず、保険申し込みを受理した。40代の主任は契約者と会わずに親族とのやりとりだけで契約した。

 かんぽ生命と委託されて保険を販売する日本郵便では顧客に不利益となる契約が9万件超発覚。現在、契約の実態を調査している。今回発覚した3件は、保険業法などに違反する事案で、両社は不正販売と認めている。

 日本郵政グループは、過度な営業目標が圧力となって社員の強引な勧誘や不正販売につながったとみて、日本郵便の19年度の保険販売ノルマを廃止する方向で検討している。

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