鹿島アントラーズ買収 メルカリJ1進出への期待
顧客ニーズに応える
近年、「ITとスポーツは親和性が高い」と指摘される。その先駆けが04年にプロ野球に参入したソフトバンクと楽天、そして11年のDeNAである。ITを駆使して消費者と向き合い、観客のニーズに応えて浸透。それぞれ福岡、仙台、横浜といった都市とも連携を強化してにぎわいを創出、人気球団となった。
Jリーグでは14年に楽天が川崎製鉄(現JFEスチール)水島サッカー部に端を発したヴィッセル神戸を完全子会社化。三木谷浩史オーナー(楽天会長兼社長)のポケットマネーで大物外国人選手を獲得するなど、これまでにない手法で活性化させてきた。
さらに、通信販売大手のジャパネットたかたがV・ファーレン長崎、サイバーエージェントがFC町田ゼルビアの経営権を保有し、ゲーム会社のアカツキも東京ヴェルディの経営権を取得、ミクシィはFC東京とスポンサー契約を結んだ。プロバスケットボールのBリーグでも、DeNAが川崎ブレイブサンダース、ミクシィが千葉ジェッツふなばしの経営権を獲得している。
まさに時代を反映した姿であり、プロ野球参入への壁は依然高いものの、Jリーグ、BリーグへのIT企業参画の動きは高まると思われる。問題はIT企業特有の見極めの速さ。スポーツ関連は人材育成、地元密着など長期的な視点が必要である。メルカリに限らず、今後の動きを注視したい。
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【プロフィル】佐野慎輔
さの・しんすけ 1954年生まれ。富山県高岡市出身。早大卒。産経新聞運動部長やシドニー支局長、サンケイスポーツ代表、産経新聞特別記者兼論説委員などを経て2019年4月に退社。笹川スポーツ財団理事・上席特別研究員、日本オリンピックアカデミー理事、早大非常勤講師などを務める。著書に『嘉納治五郎』『金栗四三』『中村裕』『田端政治』『オリンピック略史』など多数。