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軽自、10年で36%価格上昇 総務省調査 車離れ拡大の可能性も

 低廉なイメージがある軽自動車の価格が上昇している。総務省の小売物価統計調査によると、今年7月時点の平均価格は142万3765円で、10年前の2009年(104万4750円)に比べ36.3%高い。高齢者の運転ミスによる事故が問題となる中、自動ブレーキなど安全装備が充実しコスト増となったのが影響している。性能に比べ割安として足元の販売は好調だが、上昇基調が続けば車離れが拡大する可能性がある。

 調査は生活に重要な商品の価格を全国規模で毎月調べており、自動車は販売台数の多い複数車種を基に平均価格を算出した。軽自動車は09年以降、ほぼ一貫して上昇し、15年に130万円、18年に140万円をそれぞれ突破した。この間、全国消費者物価指数の総合指数は5%程度の上昇で値上がりが際立っている。

 今年1~7月の国内新車販売の首位、ホンダの軽自動車「N-BOX」は自動ブレーキなどを装備し、最低価格が138万5640円。09年に軽自動車で最も売れ、高度な運転支援システムのなかったスズキ「ワゴンR」は当時90万円程度から買えた。総務省は調査対象の車種を公表していないが、実態を反映しているといえそうだ。

 運転支援の装備は10年ごろから注目を集めた。SUBARU(スバル)が手掛ける自動ブレーキなどのシステム「アイサイト」登場が契機だ。小型乗用車(5ナンバー)と普通乗用車(3ナンバー)は15~17年に統計の取り方が変わり比較しにくいが、10年代に入り同じく上昇傾向にある。

 08年のリーマン・ショックからの景気回復を背景に、国内新車販売は09年の460万台から18年は527万台に増えた。ただ少子高齢化で長期的には減少が見込まれている。

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