江崎グリコ プリッツ刷新 女性好みの味重視
□江崎グリコ ビスケットマーケティング部・大角直史さん(43)
--「プリッツ」を10年ぶりに大幅刷新した
「基幹フレーバー3種(サラダ・トマト・ロースト)のパッケージと味、味名を同時に一新した。プリッツは1960年代に登場し、国民のほとんどが知っていて、一度は食べた経験があるロングセラー商品。この2、3年は販売も横ばいかやや下向きだが、10年単位で食べていない人がいる。味を知ってるつもりの人に、もう一回手に取って食べてもらうためのリニューアルだ」
--刷新のポイントは
「メインターゲットの30代、40代の女性は、うま味や素材の味、コクがある点を重視する。そこでサラダはうま味のためブイヨンを、トマトはトマト感を増すためドライトマト果汁を原料に追加。ローストは『素朴な昔のプリッツを食べたい』と以前から要望があり、思い切って発売当初に戻して食パンブームなど現在の要素を加えた風味にした。味名も『旨(うま)サラダ』『熟トマト』『香りロースト』とした。サラダは発売後初の改名になった」
--箱に工夫を凝らした
「家事や育児に忙しい女性が家事と家事の間の休憩にスマートフォンなどを扱いながら食べる。『ながら食い』がしやすいように片手でつまんで食べやすい形状『らくたべポケット』を採用した。素材由来の食物繊維量も初記載して健康要素の訴求も始めた」
--手に持っても油分などが付きにくくなった
「プリッツ表面に付けるシーズニングパウダーも新開発の微粒子パウダーに切り替えた。手に残りにくく汚れにくいのが特徴だ。加えて、従来の10分の1の大きさの微粒子なので、食べたときに味わいも感じやすい」
--参考小売価格も容量も据え置いた
「リニューアルで価値を上げたプラス要素で(消費者に)勧めたい。初年度の販売目標20%増を達成したい」
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【プロフィル】大角直史
おおすみ・ただし 同志社大経卒。1998年4月、江崎グリコ入社。冷菓開発企画部でアイスクリームの商品開発を担当後、2010年から広告部メディアチーム。14年からビスケットマーケティング部。今回、プリッツのリニューアルを手がけた。京都府出身。