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防衛装備品の輸出で日英連携 総合見本市11月開催、アジア市場にらむ
英国は10月末に迫った欧州連合(EU)からの離脱に際し、世界各国との間で通商や外交関係を強化する「グローバル・ブリテン(世界に開かれた英国)」政策を進めており、特に安全保障分野ではアジア太平洋地域での存在感を高めようとしている。日本でのDSEI開催は英国製防衛装備の供給先を拡大しアジア各国との関係を強化する効果を見込める。
また、関係者は、航空自衛隊の「F2」後継戦闘機をめぐり、最新戦闘機「テンペスト」を持つBAEシステムズと、日本メーカーとの共同開発などを視野に入れ、日本との結びつきを強める思惑もあるとみている。
安倍政権は防衛装備の国際化が日本の外交や安全保障にプラスになると判断し、14年4月に従来の「武器輸出三原則」に代わる新たな指針「防衛装備移転三原則」を閣議決定。一定の条件を付けた上で国産防衛装備の輸出を促進する方向にかじを切っている。(佐藤健二)
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【用語解説】DSEI
英政府が個別に定期開催していた陸、海軍の装備品見本市を1993年に統合。名称は「国際防衛安全装備品」の英文頭文字に由来する。フランスの「ユーロサトリ」と並ぶ世界最大級の防衛・危機管理の見本市だ。現在は民営化されたが、英国製装備のショーケースとしての役割を担っており、装備輸出促進部門を持つ国際貿易省の強力な支援を受けている。今回の日本開催を機に日本と英国で交互に開催する案も浮上している。