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脱臭除菌で激突…パナソニックVSシャープ 鉄道や自動車へ販売合戦
鉄道車両では21年にJR東日本の山形新幹線「つばさ」に初めて採用されたのを皮切りに、南海電気鉄道の特急「サザン」、大阪市営地下鉄(現・大阪メトロ)の御堂筋線などでも導入。自動車分野でも、日産自動車の「リーフ」やホンダ「フリード」など、国内6メーカーの80車種以上に採用されている。
これに対し、自社製品の展開に集中してきたパナソニックもナノイーの売り込みを強化。鉄道分野でJR九州の観光寝台列車「ななつ星in九州」やJR東の山手線「E235系」、東京急行電鉄「新型2020系」などに採用されたほか、自動車分野ではトヨタ自動車で36車種(レクサスブランド含む)、スズキ、ジャガーにも採用されている。
タイ鉄道に試験導入
現在、国内で激戦を繰り広げる両社が力を入れるのがグローバル展開だ。シャープは今年6月にタイ・バンコクの高架鉄道「BTS(スカイトレイン)」とプラズマクラスターの導入に関する覚書を締結し、すでに実証段階に入っている。
シャープの担当者は「国内外ともに移動空間向けの市場はまだまだ拡大の余地がある。将来的にはバスや飛行機などにも納入するチャンスが出てくるかもしれない」と話す。プラズマクラスターの世界の累計販売台数は昨年10月に8千万台を突破しており、令和3年度の1億台突破を目指してさらなる攻勢をかける構えだ。
一方、パナソニックは3年度までにナノイーとナノイーXの発生装置の年間販売台数を現在より3割多い1千万台へ伸ばす計画を掲げている。当面はナノイーからナノイーXへの置き換え需要を拾いつつ、シャープのシェアの切り崩しを図っていく方針だ。