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リニアの環境対策、静岡県とJR東海の主張は平行線 トンネル着工見通せず

 静岡県は12日、リニア中央新幹線の建設工事に伴う環境への影響について検証する会合を県庁で開いた。南アルプストンネルの掘削で生じる湧水を全て大井川に戻すように求める静岡県に対し、会合に出席したJR東海側は全量を戻すことを確約せず、議論は平行線をたどった。

 リニアの工事が沿線各都県で進む中、山梨と静岡、長野の3県をまたぐ同トンネルからの湧水をめぐって静岡県とJR東海が対立し、同県内の工区だけ本格着工ができていない。

 JR東海は、トンネル工事中に静岡県境付近の湧水が山梨、長野両県に一定期間は流出するとしており、会合では湧水を大井川に戻す具体的な方法を説明。流出対策については「引き続き検討し、県や利水者団体と意見を交換する」とするにとどめ、静岡県や利水者の団体が強く求める「湧水の全量戻し」は困難との立場を変えなかった。

 これに対し、静岡県の難波喬司副知事は「JRが提示したやり方では湧水全量を大井川に戻せないので、検討するわけにはいかず、県としては全く受け入れられない」と語気を強めて指摘。一方、県との協議に初めて参加したJR東海の宇野護副社長は「忌憚(きたん)ない意見を耳にし、理解を深めることができた」と記者団に述べた。

 会合は13日までの2日間予定されているるものの、両者が歩み寄る状況にはなく、静岡工区の着工が不透明な状況は今後も続きそうだ。

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