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LNG燃料供給船、建造へ 2燃料対応 日本の港湾競争力を強化

 液化天然ガス(LNG)が燃料の「LNG燃料船」に海上で横付けして燃料供給できる専用船「LNGバンカリング船」について、国土交通省支援の建造工事が10月1日にも始まる。建造されるバンカリング船はアジアで初めてLNGと低硫黄燃料油の2つの燃料を供給できる機能を持つ。環境対策に加え、日本の港湾の国際競争力強化が狙いで、今後もLNG供給のための拠点整備を進める。

 国連の専門機関「国際海事機関(IMO)」は2020年1月1日から、世界の一般海域で使用される船舶燃料の硫黄酸化物(SOx)の上限を現行の3・5%から0・5%へ引き下げるなど、排ガス規制を大幅に強化する。

 海運船舶は従来、割安なディーゼル燃料や重油を使うが、排ガス規制の大幅強化を前に、硫黄分を含まない燃料を使った船舶の需要が高まる。運輸総合研究所の調べでは、就航中のLNG燃料船は日本では数隻にとどまる一方、世界では139隻(昨年9月末現在)となっており、今後も増加が見込まれている。

 LNG燃料船が燃料を補給できる設備の需要は高まっており、バンカリング船もこの対応策の一つだ。

 建造されるバンカリング船は、フィリピンのエネルギー大手が、住友商事など国内3社の合弁会社から受託、首都マニラ近郊の工場で建造する。全長95・57メートルで、LNG燃料船がアジアと北米を往復できる量に当たるLNG2500立方メートルを1回で供給できる。完成後はフィリピンから東京湾に入り、令和3年3月から供給を始める。

 国交省は、東京湾の拠点整備を目的としたバンカリング船の建造にかかる費用の3分の1を補助するほか、伊勢湾や三河湾をLNG燃料供給拠点にするための整備事業などとして、計7億円を拠出する。

 日本では現在、タンクローリーなどを使って陸上から供給しているが、バンカリング船を使えば多量の燃料供給のほか、荷積みと燃料供給を同時に行うことも期待される。増加が見込まれるLNG燃料船への燃料供給インフラが整えば、アジアにおける海上物流のハブ拠点として日本港湾の魅力向上にもつながるとして、今後も対応を強化していくという。

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