遊技産業の視点 Weekly View

最新機種でも初週「平均アウト」減少

 □ホールマーケティングコンサルタント、LOGOSプロジェクト上級研究員・岸本正一

 パチンコ機の最新機種はほぼ毎週リリースされており、業界関係者の多くがそれら新機種の導入直後の稼働データを注視している。特に「平均アウト」は人気を示す指標と考えられており、「その台で1日にどれだけの玉が発射されたか」ということは大いに気になるところではあるものの、この平均アウトの現状が従来とは異なる様相を見せ始めている。

 これまで最新機種のリリース初週の平均アウトは4万個を超えるという状況が珍しくなかったのだが、ここへ来て比較的人気のある機種でも4万個を下回る状況になり始めている。これは一体、何を意味するのだろうか。「今年8月の4円パチンコの平均アウトは前年同月比で約5%ダウンしている」という業界内のデータが存在するが、最新機種の初週平均アウトのダウン幅は、それ以上に大きく感じられる。これには遊技参加人口の減少という大きな潮流以外に、何らかの原因が潜んでいる可能性がある。

 その昔、フィーバー機が登場した頃と比較すると、演出面やゲーム性を中心に格段に進化した現在のパチンコ機ではあるが、飽きの早い消費者の前では、その進化をせかされているかのように思えてならない。無論、進化のみならず、時折沸き起こるレトロブームのような原点回帰を求める人もいることだろう。その意味では単に進化すればよいという話でもない。ただ、いずれにせよ、現状に少なからず閉塞(へいそく)感や停滞感を抱いてしまうのだ。

 「新しいパチンコの姿」とはどのようなものなのか。確かに、無から有を生み出すという忍耐の試される作業を日頃の業務に追われながら継続するのは困難を極める。そう言う私もまた、「新しいパチンコの姿」を具体的に提示できずにいる。だが、この状況を打破するバイタリティーとアイデアが求められているのは間違いない。規則改正によるスペックの低下が影響するところも大きいが、初週平均アウトの低下はファンの切実な声の表れだ。「スペックもゲーム性も、もっといろんな機種で遊んでみたい」と私には聞こえる。

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【プロフィル】岸本正一

 きしもと・しょういち 1963年生まれ。元SEの経験を生かし、遊技場の集客メカニズムを論理的に整理・研究する傍ら、全国のパチンコホールを対象にコンサルティングを行う。雑誌への連載やテキストの出版、セミナーでの講演なども手掛ける。オベーション代表。

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