リーダーの視点 鶴田東洋彦が聞く

パソナグループ(2-2)農業で食の危機訴え

 シェフの祭典、来年も

 --淡路島では「第1回ワールドシェフ王サミット」を開催した

 「今年6月、外務省より承認された20カ国・地域首脳会議(G20)大阪サミット2019応援プログラムとして、G20参加各国を代表するトップシェフが実力を競い合う料理大会と健康的な食のあり方について議論するフォーラムを開いた。20カ国のシェフがそろったことに驚きの声が上がった。日本の歴史において『御食国(みけつくに)』と呼ばれるほどの食材の宝庫・淡路島だけに食材を見てシェフはびっくりし終了後も料理をつくり、互いに味わいながら意見交換していた。フォーラムには食の専門家が多数参加、食の安全・安心に目を向けてもらうため、世界に向けて『SDGs淡路島宣言』を発表した。来年もぜひ開催したい」

 --これからの日本を見据えた挑戦テーマは

 「社会のあり方改革だ。今年4月、働き方改革関連法が施行されたが、政府が進める働き方改革は、働く人が主役ではなく、終身雇用を前提に成り立つ企業依存型だ。企業が倒産すると自分も終わりではなく、自分のキャリアは自分で創るという個人自立型に転換する。企業に尽くすより、まず自分の人生を豊かにすることを考えるべきだ。芸術やスポーツをやって週3日働くだけでも正社員と変わらない処遇を受けられる仕組みが必要だ。全ての人がそれぞれの個性や才能・能力を発揮して働くことができる社会、もっと多様で自由な働き方が認められ、それぞれが尊重される社会を創る。こうした社会のあり方改革に挑む」

 「世俗に惑わされず」「夢と志は違う」 恩師2人の教え

 --経営理念が生まれた原点は

 「京都市東山に総本山がある浄土宗知恩院の末寺、神戸の通照院の住職の教えだ。お金や地位といった世俗的なものに惑わされず、とらわれない生き方をしなさいと教わった。その住職から大学進学時に『坊主に向かない。一般の大学に行きなさい』と、卒業前には『人の世話があなたの仕事』といわれ、再就職したい主婦向けに人材派遣事業を起こした」

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