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大容量品投入やCM再放送 日用品・化粧品各社が消費増税対策

 日用品・化粧品各社が、10月1日に迫る消費税増税への対策を強化している。各社は増税前のまとめ買いや駆け込み購入といった動きを一つの商機ととらえ、大容量品の投入や積極的な広告宣伝で需要を取り込む構え。増税後の商品の冷え込みに対しても、新製品投入などで需要喚起に努める考えだ。

 ライオンは、洗剤や歯ブラシなどの8、9月の出荷額を前年同期比で2割増やす。まとめ買いや駆け込み購入で、「店頭在庫が途切れないようにする」のが目的だ。同社は他にも「クリニカアドバンテージNEXT STAGEハブラシ」など一部新商品について、例年なら秋の発売時期を7、8月に前倒しした。

 マンダムは洗顔料「ギャツビーフェイシャルウォッシュ」で、通常より内容量が多い商品を8月下旬から数量限定で販売。同社は「単純なまとめ買いへの対応ではなく、商品を試してもらう機会。リピーターになってもらえれば」と話す。コーセー子会社のコーセーコスメポート(東京都中央区)は、ヘアケア商品「ジュレーム」など4ブランドで9月末までCMを再放送し、需要を取り込む考えだ。

 一方、増税後の対策も進む。花王はスキンケア化粧品「ソフィーナiP」などで新商品を相次ぎ投入し、需要喚起に努める考えだ。

 まとめ買いや駆け込み購入の動きは、既に一部商品では出ている。中でもティッシュペーパーなどの家庭紙は、業界全体でフル生産状態が続く。

 ただ、日用品は比較的安く、増税の前後で価格があまり変わらない上、今回の上げ幅は2ポイントと、5%から8%に引き上げられた前回を下回る。増税による景気悪化を防ぐ目的で、10月からキャッシュレス決済によるポイント還元制度が始まることもあり、「特に大きな対策はとっていない」とするクラシエホールディングスのようなメーカーも少なくない。(井田通人)

 ■日用品・化粧品各社の主な消費税増税対策

 ライオン       洗剤や歯ブラシなどの出荷を拡大

 マンダム       洗顔料で大容量品を投入

 コーセーコスメポート テレビCMを再放送

 花王         増税後に新製品を投入

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