スバル「EJ20」生産終了へ 主力エンジン 最終搭載車は抽選販売
SUBARU(スバル)は25日、長年主力だった水平対向エンジンの一種「EJ20型」の生産を今年度内に終えると明らかにし、10月下旬開幕の東京モーターショーで最終搭載モデルとなるスポーツセダン「WRX STI」の特別仕様車「EJ20 Final Edition」の試作車を公開すると発表した。
現在、水平対向エンジンを市販車に搭載しているのは世界でもスバルとポルシェだけ。ピストンが上下方向に動く一般的なエンジンと違って左右で水平な配置が特徴で、振動が少ない、車体が低重心となり安定性が増すなどの利点がある。
中でもEJ型はスバルの3種のうち最も古いタイプで数字は排気量を表す。その初期型となるEJ20は1989年発売の初代「レガシィ」に初搭載され、「軽量・コンパクトで耐久性も高い」「高回転で反応がよい」と人気に。92年には小型の「インプレッサ」に搭載されるなど、改良を繰り返して性能を高めてきた。
高い能力はレース車でも通用し、世界のレースで活躍。市販車でも2008年ごろまでにほぼ全ての車種に搭載され、「走りのスバル」のイメージ定着に大きな役割を果たした。
燃費性能も高めてきたが年々厳しくなる各国の排ガス規制への対応が次第に難しくなって撤退が続き、最後に残った日本市場向けWRX STIでも「将来的に対応が難しくなる」と判断。生産終了を決めた。
特別仕様車は限定555台の抽選販売を予定し、詳細を10月23日に発表する。
ただ今後もEJ25型は生産を続けるほか、後継のFB型、FA型が主力で活躍している。近年需要が増えているハイブリッドシステム「e-BOXER」も水平対向エンジンがベース。「FEJ20は引退するが、まだまだ水平対向はスバルの代名詞」と関係者は語る。
一方でモーターショーでは、e-BOXER搭載のスポーツ用多目的車(SUV)「XV」「フォレスター」や、小型車「インプレッサスポーツ」の先進運転支援システム標準装備モデルも展示。電動化など最新技術にも注力している姿勢を示す構えだ。(今村義丈)
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マツダは25日、東京モーターショーで初の量産電動自動車(EV)を世界初公開すると明らかにした。同社は長年、内燃機関の性能向上に注力してきた。
東京モーターショーは10月24日~11月4日、東京ビッグサイト(東京都江東区)周辺で開催される。