話題・その他
キャッシュレス、ポイント還元の浸透遠く…導入に悩む店舗の思いは
実施は来年6月までだが、経産省によると、全国約200万の対象店舗のうち、10月1日から参加するのは約50万店にとどまる。また、実質の還元率も計5通りと複雑で、店員らに混乱を招くとの懸念もある。
こうした中、還元対象となる店舗の多い商店街がキャッシュレス化に舵を切るケースも。大阪市住之江区の粉浜商店街は、8月からキャッシュレス決済サービス「ペイペイ」の運営会社を呼び、説明会を開いて導入への理解を促してきた。
「5%のポイント還元がないからと、客が離れるのを避けたかった」と話すのは同商店街振興組合の富永高文理事長(59)。全体の約3割が既に導入、残りも前向きだが、精肉店を営む松岡伸六さん(54)は「店員はスマホを持ったこともない年寄りばかり。客に迷惑をかけては元も子もない」と二の足を踏む。
経産省は、参加店やポイント還元率を地図で検索できるスマホ向けアプリを配信するなど、周知に躍起だが、なかなか広まらない。
日本キャッシュレス化協会代表理事を務める東洋大の川野祐司教授は「還元制度は消費者にメリットはあるが、店舗側にはほとんどない。この制度だけで浸透を図るのは難しい」と指摘する。キャッシュレス化には導入コストや維持費がかさむほか、帳簿の変更など手間がかかることも敬遠される一因とした上で、「今後、政府には店側の視点に立ち、導入コストをゼロにしたり手間を軽減したりする細かい支援が必要だ」と話した。