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大手中堅スーパー独自還元続々 中小対象のポイント制度に対抗
消費税増税に伴い始まった、中小事業者を対象としたキャッシュレス決済のポイント還元制度に対抗するため、国の補助の対象外となった大手や中堅のスーパーなどで独自還元を導入する動きが相次いでいる。自社の電子マネーやカードへのポイント上乗せなどを実施し、顧客離れを防ごうと懸命だ。
ポイント還元制度は中小店で現金を使わずに支払うと、国の補助で購入金額の最大5%分のポイントが還元される政策で、約50万店が参加して始まった。
イオンは10月末まで、総合スーパーで衣料品や日用品を電子マネー「WAON(ワオン)」などで購入した場合、200円ごとに5円分ポイントを多く付与する。イトーヨーカ堂も7日まで電子マネー「nanaco(ナナコ)」で衣料品や日用品を購入すると、通常の3倍のポイントを付与する。
関東を中心に店舗展開するスーパーのマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の3社は3社共通のポイントの還元率を、通常の0.5%から5%に引き上げた。マルエツの担当者は「1円単位の価格競争でしのぎを削るスーパーで、5%の還元は大きい」と話す。
西友は12月末までクレディセゾンのクレジットカード利用者を対象に3%値引きする。外食でもダスキンが展開するミスタードーナツと、モスフードサービスが展開するモスバーガーが自社のプリペイドカード利用者に2%還元する。
一方、長野県で約30店舗を展開するスーパー「ツルヤ」は静観の構えだ。国の還元制度の対象外で、自社のポイントカードも発行していない。「還元制度は来年6月までの一時的な措置。システム改修などの手間を考えると、店頭の価格と品質で勝負するのが本分だ」としている。