高論卓説
さようなら、日本型雇用 「制度疲労超えて害」経済界トップ断言
実際に企業は高い能力を持つ人材を特別な条件で遇するようになった。NECはこのほど優秀な研究者には新卒でも1000万円以上の年収を支払う制度を設けた。世界的な人材獲得競争に負けないためである。
パナソニックの津賀一宏社長は「当社も言わないだけで、既に(多額報酬制度を)やっています。他から来る優秀な人には社内相場にとらわれず、特別枠で報います」と言う。一律初任給について日立製作所の東原敏昭社長はこう語る。「今処遇を職務に合わせて決めるジョブ型に変えようとしています。完全に切り替わるときには、無くなると思います」
昔は大手企業では補充程度だった中途採用も新卒採用と肩を並べつつある。いつ通年採用に移行しても不思議ではない。連合の神津里季生会長は「失業者へのセーフティーネットが整備されないと、不安を生む」と警告するが、もはや日本型雇用の終焉(しゅうえん)は時間の問題である。
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【プロフィル】森一夫
もり・かずお ジャーナリスト。早大卒。1972年日本経済新聞社入社。産業部編集委員、論説副主幹、特別編集委員などを経て2013年退職。著書は『日本の経営』(日本経済新聞社)、『中村邦夫「幸之助神話」を壊した男』(同)など。