日本が異色? 低迷ゴルフ場、欧米豪の富裕層“開拓”に求められる柔軟性
そのおかげで、道内ゴルフ場の外国人利用者数は22年当時の1万人弱から、昨年は4万人強まで増えた。
スポーツを核とする観光誘致「スポーツツーリズム」は、観光庁やスポーツ庁が力を入れてきた。競技やレジャーに自ら参加するだけでなく、観戦したり、開催地周辺を観光したりと、幅広い客層や長期滞在を見込めるからだ。
特にゴルフは、来年の東京五輪や、2021(令和3)年に大阪で開かれる「ワールドマスターズゲームス」の競技種目にもなり、海外ゴルファーを集める好機と期待されている。
国内ゴルフ人口半減
国内のゴルフ市場は、若者の減少やゴルフ離れ、既存ゴルファーの高齢化などから20年以上にわたって縮小し続けてきた。ゴルフ人口は平成6年の1370万人をピークに、昨年は670万人とほぼ半減した。
それでもなお、日本は世界第3位の“ゴルフ大国”だ。
英国の調査レポート「Golf Around the World2019」によると、昨年時点のゴルフ場最多国は米国で1万4640軒、カナダの2265軒に次ぎ、日本は2227軒となっている。
ただ、世界における日本のゴルフ場の認知度は極めて低い。業界関係者は「外国人は日本でゴルフができるとさえ思っていない」と口をそろえる。
簡単に言えば、日本のゴルフ場の多くが訪日客を迎える環境にないといえる。全国共通の課題は、多言言語対応だ。コースや併設施設、スタッフ、公式ウェブサイトが英語に対応している例はほとんどない。海外では「気軽に予約できない」といった声が上がる。
日本のゴルフ場の多くは会員制クラブで、ビジターが予約出来ないケースもある。インバウンド誘致が盛んなタイなど東南アジアのゴルフ新興国は、ほとんどのゴルフ場を誰でも利用できる。北海道ゴルフ観光協会の高橋成司会長は「(タイなどは)プロモーションやインバウンドへの柔軟な対応などが進み、日本は比較の対象にもならない」と危機感を募らせる。
むしろ日本が異色
ハワイやグアム、タイなどのゴルフコースを1年に50回以上回るという大阪市の会社員、岩本義之さん(51)は、「海外のゴルフ場は服装の制限も緩く、車の送迎もあるからアルコールも楽しめる」と利点を語る。日本では休憩を挟まず18ホールを回るスループレーができるゴルフ場が少なく、岩本さんは「効率が悪いと思う外国人もいるのでは」と指摘する。
一方、訪日ゴルファーは国内ゴルファーとルールやマナーの意識が異なり、トラブルになるケースもあるという。多くの国内ゴルフ場がインバウンド対応に及び腰なのは、ゴルフクラブの会員を守るという意図もあるようだ。とはいえ、縮小が続く国内ゴルファーに依存した“一本足打法”では立ちゆかないゴルフ場も出るだろう。
マナーやゴルフ文化の相違について、小島氏は「受け入れ体制というより、受け入れ方の意識の問題。相手がどういうゴルファーか理解して、その人に合ったプランを提供すれば、マナーの問題はほとんどなくなる」と指摘する。また高橋氏は「プレー習慣が異色なのはむしろ日本。世界標準に合わせて意識改革しなければならない」とも呼びかけている。