サービス

「迎車料金変動」などタクシー新制度 国交省、年度内に通達改正へ

 タクシーの利便性を向上させるため、国土交通省は、今年度内に道路運送法上の通達を改正する。新たに盛り込むのは、「迎車料金の変動制」「定額運賃」「相乗り」の3制度で、タクシー業界は来年秋にも新サービスを開始する見通しだ。

 迎車料金の変動制は、通常は300~400円程度必要な迎車料金を時間帯や曜日などに応じて変動させるもの。昨年、国交省とタクシー業界が行った実証実験では閑散時を0円にしたケースもあった。タクシー業界は運賃自体の変動制も求めているが、運賃は認可制で法改正が必要となるため、同省は通達改正で導入可能な迎車料金から変動制を実現させる。

 定額運賃は、通院や買い物などで定期的に同じ経路を行き来する場合に距離と回数に応じて月額で先に支払うことを想定している。ハイヤーでは既に導入されているが、タクシーの場合は行き先や乗車回数を限定させることで、ハイヤーより安価に定額制を実現させることができるという。相乗りは、3月の未来投資会議で安倍晋三首相が検討を指示した制度。スマートフォンのアプリで到着地点が同じ乗客同士をマッチングさせ、タクシー料金を割り勘して安価に利用できるようにする。

 新制度導入の背景には、中国の滴滴出行や米ウーバー・テクノロジーズなど海外のライドシェア(相乗り)事業者に対する危機感がある。国交省は、今後もタクシー業界とさまざまなサービスの実証実験を実施し制度改正や規制緩和を行う方針だ。

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング