ハザードマップ

セーフティーアイランド/マックダディー

 ■低価格とコスト高でアパレル息切れ

 ▼セーフティーアイランド セーフティーアイランドは10月30日、神戸地裁へ民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。

 同社は、海山鉱業(神戸市北区)からの会社分割で設立。建設廃材の中間処理施設を構える産業廃棄物処理業者で、関西最大規模の分別再生プラントを保有し、建設廃材リサイクルや石膏(せっこう)ボードリサイクルなどを手掛けるほか、収集運搬、土木工事、汚染土壌浄化、建設コンサルタントなど、幅広く展開。また、2015年9月には福島県内に拠点を設置し、東北地方での実績もあった。

 大手建設会社などからの受注を得て、ピーク時の16年3月期には売上高31億4868万円を計上。しかし、会社分割時に金融債務も継承したため、多額の有利子負債を抱え、この間、08年3月に一部代位弁済がなされたほか、09年3月には債権者に債権買取業者が加わるなど、余裕のない状況が表面化した。

 近年は受注量が徐々に減少し、19年3月期の売上高は25億3574万円まで落ち込み、7953万円の赤字を計上。自力再建を断念し、今回の措置となった。

 ▼マックダディー マックダディーは10月30日、東京地裁から破産開始決定を受けた。同社は、ストリートブランド「MACKDADDY(マックダディー)」を展開。かつては東京・原宿、京都などに直営店「HEIGHT」を出店していたほか、全国のセレクトショップにも販売するなどし、2004年5月期には売上高約10億円をあげていた。

 しかし、その後は人気の低迷などで売り上げは減少に転じ、10年5月期の売上高は4億76万円まで落ち込んでいた。最近は直営店を閉鎖し、インターネットに販路を移行するなど、業況の改善を図ったが、販売は低調に推移していた。こうした中、資金繰りも限界に達し、19年10月には事業を停止していた。

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【会社概要】セーフティーアイランド

 ▽本社=神戸市東灘区

 ▽設立=2001年6月

 ▽資本金=2100万円

 ▽負債額=48億2509万円

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【会社概要】マックダディー

 ▽本社=東京都世田谷区

 ▽設立=1999年6月

 ▽資本金=300万円

 ▽負債額=約4億円

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 〈チェックポイント〉

 セーフティーアイランドは過大な借入金が経営を圧迫した。事業拡大の局面など、企業の成長には借入金が不可欠なシーンもある。だが、返済資金は本業の収益から捻出しなければならない。借入金の導入は、銀行が貸してくれるかどうかではなく、自社に返済能力があるか、で判断することが本来あるべき姿だ。

 マックダディーはストリートファッションブランドとして支持を集めたが、最近は顧客離れに歯止めがかからなかった。低価格化とコストアップとの板挟みで、アパレル販売業者の倒産が増勢を強めている。利益が低迷し消耗戦の様相を呈するなか、消費者ニーズをつかめなかった企業の息切れが目立ってきた。(東京商工リサーチ常務情報本部長・友田信男)

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