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ぺんてる買収合戦でOB・社員引き裂かれる コクヨとプラス、どちらに
■退職金以上の利益
ぺんてるは非上場で、関係者によると株主は約300人。OBや創業家、取引先関係者が多いという。コクヨとプラスのどちらに株を売却するか、または保有し続けるか-OBらは古巣の将来への選択を迫られ、苦悩の日々が続く。
一方、ぺんてる株を持つ従業員も今回の騒動に揺れる。ぺんてる関係者によると、同社は長らく、従業員の退職時などに1株あたり125円の売却額を提案してきたという。
しかしコクヨはまず1株当たりの買い付け額を3500円と発表。プラスが同額での買い付け計画を示すと、コクヨは11月20日に3750円、29日には4200円へと引き上げた。
関係者は「従業員がコクヨの買い付けに応じれば会社に伝わってしまうが、保有数によっては退職金以上の売却益を得られる。頭を悩ませている人は多い」と明かす。
■企業価値損なう恐れ
コクヨはぺんてる従業員向けに相談窓口を設け、保有株売却などをめぐって会社側から強圧的な指示があれば、会話や文面を提供するようホームページ(HP)で要請。ぺんてるもHPでコクヨの要請を「社内文書の持ち出しなどを推奨しており、情報漏洩の教唆に該当しかねない」と反発するなど、舌戦が続いている。
両陣営の間でOBや従業員らが引き裂かれて反目する事態になれば、将来の経営に禍根を残し、企業価値を損なう恐れもある。