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りそなホールディングス デジタル化推進、IT企業と競争

 りそなホールディングス社長・東和浩さん(62)

 --日本銀行が民間銀行から預かる資金に手数料を課す『マイナス金利』の深掘りを検討している

 「深掘りされると厳しい環境がさらに厳しくなる。われわれはビジネスモデルの転換をずっと続けてきたが、さらに加速することが重要だ。例えば(業務粗利益に占める)手数料収益の比率はいま30%だが、もっと上げていく努力をする。4割や5割を目指すことが必要だ」

 --手数料ビジネスをどうやって伸ばすのか

 「キーワードはデジタル化だ。(決済端末を小売業者に無償提供する)キャッシュレス・プラットフォームや(スマートフォンで口座管理ができる)グループアプリなど、手数料ビジネスでも新しい仕組み作りが重要だ。個人向けに提供するキャッシュレスだけでなく、今後は店舗の受発注をキャッシュレスにする提案を始めたい。デジタル化は日本全体で遅れており、市場は大きい。競争する相手はもう銀行じゃなくて、IT企業になる」

 --銀行という組織のあり方も変わってくる

 「IT企業は頭が柔軟だしスピード感もすごい。そういうところと競争するために、行員の教育の仕方も変えていく。ITの知識をベースに、ちゃんと基礎的な資格をとって下さいとか。『スピード感を持たせるために組織がどうあるべきか』で変わってくる」

 --未利用の口座から管理手数料を徴収している

 「収益的にはたいしたことはないが、経費面では使われていない口座を維持するだけでコンピューターの維持コストが大変だ。未利用口座が残っていると売買され犯罪に使われる恐れもあり、社会的責任として意味がある」

 --口座全体に維持手数料を設ける考えは

 「現時点では特に考えていない。ただ、将来的に、取引がどんどんデジタル化すれば、人間の事務コストはどんどん高くなる。(銀行業務の)太宗がデジタル化したときには、考えなくてはいけなくなるかもしれない」

【プロフィル】東和浩

 ひがし・かずひろ 上智大経卒。1982年埼玉銀行(現埼玉りそな銀行)入行。りそなホールディングス財務部長、副社長などを経て、2013年4月から現職。福岡県出身。

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