現場の風

三越伊勢丹 買い方多様化に合わせ売り場拡大

 □三越伊勢丹化粧品MD統括部マーチャンダイザー・横山健治さん(39)

 --伊勢丹新宿店の化粧品売り場を新装した

 「今までは1階と地下2階の2フロアで展開していたが、2階を加えた3フロア態勢にした。品数と取り扱いブランド数も増え、ブランド数は国内百貨店で最大規模になった。ビューティー関連の商品は人気が高まっているが、市場の変化に対応できていなかった部分があり、改装することになった」

 --対応できていなかった市場の変化とは

 「来店客一人一人が求める買い方が多様化している。女性でいうと、かつては比較的主婦層の来店が多く、ゆっくり要望を聞きながらおもてなしをすることが良しとされたが、女性の社会進出が進む中で、一人のお客さまでも時には素早い対応が必要だったり、時には季節の変わり目ではゆっくり相談に乗ってもらいたかったり。こうした要望に対応する必要が出てきた。改装では各ブランドの売り場に、カウンセリングを受けながら買えるところのほかに、素早く購入できるカウンターを設けた」

 --百貨店における化粧品売り場の重要性は

 「百貨店で扱う商品の中で、化粧品は食品に次ぐ消耗品なので、買い足しに来てもらうことで百貨店の来店頻度が上がる。新客獲得の接点作りからも重要だし、集客という意味でも貢献度が高い。訪日外国人客の来店の呼び水にもなっており、海外へも情報発信を始めた」

 --新装オープンしてからの来店客の反応は

 「1階にかわいいコスメを集積したゾーンでは、女性客が『カワイイ』といいながら入っていく様子がみられたし、各ブランドでトップのメーク技術を持っている方にカウンセリングを受けられるが、自分に合ったアドバイスをもらってよかったと反響をいただいている。自分も素直にうれしいし、売り場で来店客のうれしそうな反応を見ながら元気をもらっている」

                   ◇

【プロフィル】横山健治

 よこやま・けんじ 2003年伊勢丹(現三越伊勢丹)入社、伊勢丹新宿店婦人第三営業部などを経て、16年から現職(組織改編前の肩書は婦人雑貨統括部婦人雑貨第三商品部化粧品バイヤー)。

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