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再評価される伝統の練り物 動物性×植物性「ダブルたんぱく」の効果も

 【近ごろ都に流行るもの】

 筋肉ブームで人気の「タンパク質補給食品」。今年の市場規模は前年比1割増の1453億円(富士経済調べ)と見込まれている。人々の興味は筋トレから抗老化・美容効果を期待する「食事のとり方」へと広がり、カニカマ(魚肉×卵白)や鳥取県の特産品「とうふちくわ」(大豆×魚肉)といった複数のタンパク質を組み合わせた伝統の練り物がトレンドの表舞台に躍り出た。同じタンパク質でも作用が異なる「植物性」と「動物性」を同時に摂取し効果を高める「ダブルたんぱく」も提唱されている。(重松明子)

 焼く前のちくわのような、白く穴の空いた棒。かじるとプルンとした魚肉の弾力と豆腐の風味…。これはまさに「とうふちくわ」だ!

 江戸時代に質素倹約の精神から魚肉の約3割を豆腐に代えて生まれたという鳥取県の伝統食品が今、「ダブルたんぱく」食品として注目されている。

 JR新橋駅前のアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」では、5社7種を品ぞろえ。1本十数センチ~20センチ弱で、値段は205~298円。ハーフサイズもある。「1日50~60本売れ、半年で1.5~1.8倍に伸びた商品もある。健康志向の年配者を中心に、美容意識の高い女性の間にも広がっています」と宮沢紀行店長(61)。

 銀座のクラブ街に近い立地。ママたちが「お客さんに喜ばれる」と仕事前に買っていくほか、地ビールと一緒にイートイン席で1杯やって帰る20代常連OLもいるとか。

 2回目の購入という東京都江東区の主婦(74)は「筋肉にいいんですってね。味は豆腐とちくわそのものでサッパリしている。おいしい食べ方を教えてほしい」

 宮沢店長は「豆腐に合わせる薬味ならなんでも合う。私はショウガじょうゆが好き」。とうふちくわをPRする市民団体「鳥取とうふちくわ総研」(鳥取市)の植田英樹所長(49)は、「そのまま食べられる簡易さが魅力ですが、豆腐が入っているので油と好相性。炒め物、バター焼き、天ぷらもおすすめ。崩れないので調理しやすい」と話す。

 慶応元年創業の製造元「ちむら」(同市)では、「鳥取和牛」「トマトとチーズ」などの“進化形”風味も発売。今年8月、とうふちくわを常食する同社の女性従業員30~70代14人の筋肉量を測定したところ、全員が全国平均を上回り、特に60代以上は平均より3~7キロも多かったという。

 調査を監修した佐々木一・神奈川工科大非常勤講師は、「植物性タンパク質は筋肉分解を抑え、動物性タンパク質は筋肉を増やす働きをしている。双方を合わせた食事が、筋萎縮の抑制につながっているのでは」と解説した。

 「高齢者ほど結果が良くて驚いた」と植田所長。「来年の東京五輪にむけて体づくりへの関心は益々高まる。豆腐と練り物という東アジアを象徴する伝統食材の組み合わせ、地元で脈々と受け継がれてきた安心で上質なタンパク質。『とうふちくわ』を海外の方にも食べてもらいたい」と意欲を見せる。

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