金融

三井住友海上が狙う「自由にアイデア発信」 部門横断型の交流会を発足

 三井住友海上火災保険は、働き方改革の一環として部署や担当業務、職位の異なるさまざまな社員が意見や課題を出し、自由に話し合える部門横断型の交流会「クリエイティブテーブル」を新たに発足させた。全国19のブロック本部に設け、業務改善や商品開発などへの社員のアイデアや気付きにつなげる狙い。

 クリエイティブテーブルの基本モデルはブロック本部が執務室や会議室を提供し、所管する各部支店から募集した20人程度を4チームに分けてフリーディスカッション方式などで実施する。テーマは参加者が意見交換しやすい話題とし、所要時間も任意とすることで「社員のやらされ感を極力排除した」(人事部)。軽い飲食などの費用を補助するほか、社外からファシリテーター(議事進行役)を招くことも可能とする。来年4月以降は参加経験者が自主的に企画・開催する仕組みとする方針。

 制度活用で部門の垣根を越えたコミュニケーションの活性化や社内ネットワークの拡充、多様な社員が持つ豊富なアイデアへの気付きを引き出すほか、業務上の悩みや課題もテーマとすることで社員のストレス軽減にもつながると期待する。開催内容は専用ホームページにリポートを掲載し、全社に発信する。

 同社は現在、ダイバーシティ(多様性)への取り組みの一つとして、組織のメンバーそれぞれが考え方や感情を気兼ねなく言い合える環境が強いチームワークを生むとされる「心理的安全性」という手法を全社的に展開している。米グーグルが導入し成果を実証した手法で、生産性向上による働き方改革に通じると期待されている。

 ただ、社員が心理的安全性を確保し、実際に意見やアイデアを自由に発信できるようになるには「訓練の場が必要」(人事部)と判断し、新たに部門横断の交流の場を設けることにした。

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