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東京五輪支える先端技術 「水素社会」 車が空気を浄化

 東京五輪・パラリンピックは、地球温暖化を抑制する「水素社会」の到来も予感させる舞台となりそうだ。走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しない「究極のエコカー」の燃料電池車(FCV)が大会運営に大量に使われる。

 トヨタ自動車がマラソンをはじめとした競技先導車などで提供する車両約3700台のうちFCVは約500台と、8台に1台を占める予定だ。世界初の量産FCV「MIRAI(ミライ)」のほかFCバス「SORA」、FCフォークリフトなど多様なラインアップとなる。

 FCVの普及の鍵となる水素の供給インフラの拡大も進みそうだ。

 世界最大規模の水素工場の建設が東日本大震災の被災地、福島県浪江町で進められており、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などは五輪直前の7月までに実証運用と水素輸送を開始する計画だ。生産時電力にも太陽光発電を用いて環境にこだわった水素が、大会で供給される予定。燃料補給拠点の水素ステーションは、日産自動車、ホンダなども参加した合同会社が整備を加速する。

 「ミライは空気清浄器みたいな働きもできる」。トヨタの寺師茂樹副社長は、こんな構想も語る。酸素を取り込む際の高性能な空気フィルターで、窒素酸化物や硫黄酸化物、PM2.5といった大気汚染物質を取り除くこともできるという。

 環境問題の元凶の一つとされてきた自動車が水素時代には街の「環境浄化」に寄与する。日本の技術でそんな夢も見えてくる。

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