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あんなステマもこんなステマも…ステマとは何か、経緯と対策の現状で考える

 ステマではない行為がステマ呼ばわり

 2012年、2015年そして2019年とステマはたびたび大きなネット炎上を起こしている話題です。

 JIAA、WOMJ、JAOなどのガイドラインではPRタグなど明確に広告であることの表示のルールが決められていますが、解釈に幅があり悪く言うと脱法的に使われている項目もあります。

 「広告主体者の明示」「マーケティング主体の名称表記」がそれで、広告主が誰であるのかを明確に表示すればPRやADなどタグがなくても広告だと読者はわかるだろうという理屈です。

 ネットではバナー広告の効果が薄いという話が有りましたが、同じようにPRタグやADタグがついた投稿は広告効果の認知が下がるという実情が存在するようです。

 ゆえに広告業界側には「ガイドラインには従っているように解釈できるが、可能であればPRやADと書かずに広告を見せたい」というインセンティブが存在します。

 つまり読者と広告の騙し合いとも言える現状があります。

 そうなると読者側にも「これはステマではないのか?」とあらゆる投稿にステマ疑惑を持つようになる流れが出来てきました。

 企業のオウンドメディアに掲載されている自社製品の紹介記事なのに、「PRとついてないからステマだ」と苦言をSNS投稿されてしまう。もちろん会社の宣伝を自社のWebサイトに載せるのは誰が見ても宣伝と明確なのでステマではありません。

 作品に出演した俳優や声優が、レギュラー番組で作品について宣伝をすると「ステマだ」と批判される。これも演者という関係者からのただの「告知」であって、定義的にもステマではありません。

 自社オウンドメディア記事広告は、例えば「ブラウザのURL欄を見て、会社名とドメイン名の一致が判断できる」というデジタルリテラシーを要求しますし、レギュラー番組での出演作品告知も「情報発信者が作品当事者である」という知識による判断力が要求されます。

 リテラシーをあまり要求せず広告であることを伝えられる万能表記としてPRタグが使われていますが、伝わるがゆえにバナー広告のように広告効果が下がるため、業界側からはできれば避けたい手法になっています。

 ネット炎上の視点でも「ステマ私設警察」という状態になり、例えば自腹購入した食品や商品を勝手レビューしている個人の投稿や記事に「PRや提供の表示がないからステマだ」などと疑惑を向ける現象が発生していたりします。もちろん濡れ衣ですが、企業やブランドイメージは悪化します。

 ステマを指示していることの証明は、PRと書くな指示書や記事執筆者の告発証言で原理的には可能ですが、逆にステマを指示していないことの証明は不可能です。世に存在しないことを示すことは「悪魔の証明」となりますので。

 ステマ疑惑リスク

 約2カ月の範囲で色々なユーザーから投稿されていたチョコレート商品を勧めるクチコミ投稿が、スクリーンショットでひとまとめにされて「ステマなのでは?」と疑惑を持たれたことがありました。

 ねとらぼの取材に対して企業はステマではないと具体的に否定したことと、投稿日のばらつきや細かい内容からの推測ではステマとしては不自然で、単なる自主的な投稿ではないかという感想を持つ人も多く、疑惑は単なる疑惑でそれ以上の確定情報はないように見えました。

 しかし読者によってはその後の否定記事を読んでおらず、自ら細かく投稿内容まで精査せずに、なんとなくステマをしてる企業なんだろうなと疑惑を信じてしまっている人もいます。これはステマをしていない企業にとっては濡れ衣によるブランドのイメージダウンになり、非常に問題になると思います。

 経済活動と社会規範のすり合わせ

 「記事広告ではあるが、内容が面白いので読んでいて楽しめるから騙された気がしない」「商品提供記事だが、執筆者の過去の行動からレビューは本音で書かれているはずだ」「広告費で描かれているが、とても手間がかかって丁寧で分かりやすい体験漫画なので共感できた」--など、内容の品質面で読者を納得させて、読者との騙し合いを止める方針を取っている広告関係者も少なからず存在します。

 才能や手間暇をかけた記事を執筆するには、経済活動も必要だと思います。

 そして読者の「無限に無料で面白い記事が読みたい」という経済活動に反する要望にどう対処するのかという解決策の開発も求められています。ただ記事広告タイトルにPRとつければ良いというのは経済活動を無視した読者の社会規範だけの手法で、解決策や到達点だとはとても思えません。

 多くの読者のリテラシーと、自主規制ガイドラインのギャップを利用した騙し合いではない前向きな手法が望まれていると思います。(ITmedia)

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