ビジネスアイコラム

ロシア・アエロフロートが17年ぶり関空便を復活、懸念は

 さらなる追い風もある。露政府は来年1月から、これまで極東やサンクトペテルブルクなど一部都市で施行されていた日本人訪露客向けの「電子査証(ビザ)」制度を全土で導入する計画だ。これは、事前にインターネットで登録し、承認を受ければ、そのままロシア全土に渡航が可能になるというものだ。ビザ取得の煩雑さが、日本からの訪露客増加を妨げていることは長年指摘されてきたが、大幅に簡素化される。

 関西では、インバウンド需要は「経済の柱の一つ」(財界幹部)と位置付けられ、そのエンジン役として重視されている。しかし、その約8割は中国や台湾、韓国からの旅客で占められ、“東アジア依存”が高いのが実情だ。そのため、欧米や東南アジアなど訪日客の多様化が急務で、規模は小さいとはいえロシアからの訪日客増や、欧州を結ぶ路線増は歓迎されている。

 ただ、日露間の旅行者の往来はこれまでも両国間の政治動向や経済状況に大きく影響され、伸び悩んできたのが実態だ。関西では25年の大阪・関西万博や、その後に見込まれる統合型リゾート施設(IR)の誘致など、インバウンド増につなげる施策が計画されているが、一時的な政治状況に左右されない交流の強化を図る必要がありそうだ。(産経新聞大阪経済部 黒川信雄)

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