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地方の声優志望者、レジェンドが応援 プロがオンライン指導サービスを設立

 「地方在住の方が、もっと気軽に声優に挑戦できる仕組みを作りたい」。こう語るのは、「ドラえもん」のしずかちゃん役を長年務めた声優の野村道子さん(81)だ。遠方に住む志望者の場合、交通費などの負担が大きく、夢をあきらめる人も少なくない。そんな環境の改善に向け、声優業界の有志がスマートフォンなどでプロの個人指導を受けられる新サービス「SPOT(スポット)」を設立。次世代の星を発掘するシステム構築を目指す。(本間英士)

 交通費問題クリア

 「声優の仕事は東京に集中しているのに、東京に出てこられる地方の志望者は決して多くない。過去にはアルバイト代が交通費で消えた人もいた。声優という夢にもっとシンプルに挑戦できる仕組みがほしい」

 「SPOT」発起人となった野村さんはこう語る。

 声優志望者の多くは声優学校や養成所に通って基礎を学び、オーディションを受けて声優プロダクションに所属する。だが、その多くが東京に集中。受講には多額の交通費などがかかる。養成所の校長を務めるなど次世代の育成にも力を注いできた野村さんは、地方出身の志望者が「お金の事情」で夢を断念したケースを多く見てきたという。

 この“地域格差”をクリアする試みが「SPOT」。1期生を募集中で、3月25日の開講を目指す。

 標準語もレッスン

 内容は、プロの声優がオンライン上で個人指導を行うもの。スマホやパソコンで受講するため、通信環境があればどこでも授業を受けられる。発声や滑舌の改善から、アニメ映像を使ったアテレコなど40講座を想定。1年に1回オーディションを行う。受講内容は1回15分。料金は40回で8万円(税抜き)を想定する。

 地方出身者が声優を目指す際の課題である「標準語」の習得も狙いだ。参加する声優プロダクション「ムーブマン」の羽佐間圭介社長=日本声優事業社協議会理事長=は「養成所に入って初めて(なまりを)自覚するケースが多い。直すのには平均1~2年かかる」と指摘。「滑舌と発声、方言の3点をあらかじめ解決すれば、確実なアドバンテージだ」と語る。

 逸材に出会いたい

 世界的なアニメ人気に伴い、競争が激化している声優業界。現在、声優の数は約7200人とされる。だが、昨年6月時点でテレビアニメに実際に出演したのは主な役柄の687人にとどまるなど、声優業だけで生計を立てられるのは人気声優に限られるのが実情だ。

 だからこそ、業界の今後を担える「新たな才能」の発掘を求めているという。

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