スポーツi.
新型肺炎の感染拡大、東京五輪の開催は大丈夫なのか
IOCにも金銭的打撃
オリンピック憲章には、大会の「開催」の規定はあまたあるが、「中止」の規定は見当たらない。中止する場合は、最高決定機関である「IOC総会」または総会から権限を受けた「IOC理事会」が決定することになるのであろう。一方、IOCと東京都および日本オリンピック委員会(JOC)との三者で締結した「開催都市契約」には明確な規定があり、IOCは大会を中止する権利を有する。
大会が中止されても、都、組織委員会、JOCは「(IOCに対する)いかなる形態の補償、損害賠償またはその他の賠償またはいかなる種類の救済に対する請求および権利」をも放棄させられている。
そして、「契約の締結日には予見できなかった不当な困難かが生じた場合(新型コロナウイルスの流行が該当する)」でも「合理的な変更を考慮するようにIOCに要求できる」だけで、IOCがそれに応える必要はないことになっている。
このように、開催都市契約はとんでもなく不平等な条件となっている。IOCとしても全てを都、組織委、JOCにおっかぶせることができるわけでもなく、放送権料やスポンサー料などの収入は返還せざるを得なくなり、金銭的には大打撃をもたらすことになる。
ディック・パウンド氏がいう5月下旬に、日本における新型コロナウイルス疾患の流行が猛威を振るうような状況になっていない限り、大会は開催されるものと思われる。
【プロフィル】宮田正樹
みやた・まさき 阪大法卒。1971年伊藤忠商事入社。2000年日本製鋼所。法務専門部長を経て、12年から現職。二松学舎大学大学院(企業法務)と帝京大学(スポーツ法)で非常勤講師を務めた。