欧州IRの伝統 日本でも生かす モンテカルロSBMインターナショナル
モンテカルロSBMインターナショナル マネージングディレクター ジャン=ルイ・マシュレルさんに聞く
--統合型リゾート施設(IR)事業者として他社と比較した特徴は
「1863年に開業した150年を超える歴史を持つ。世界でも最も古いIR事業者で、IRが地域に文化として根付いている。カジノだけでなく、レストランやスポーツ、オーケストラ、バレエなどの運動や文化の施設も含めて何もなかった場所にIRを作り上げた。1000年以上の歴史を持つ日本文化は、長い歴史のある欧州の文化とも共通したところがある。われわれは日本の文化を尊重している。(モンテカルロのある)モナコの王室は、日本の皇室との関係も深く、日本には欧州のIR事業者が適していると考えている」
--マカオでカジノやホテル事業を手掛けている香港のギャラクシー・エンターテインメント・グループと2018年に提携し、日本でIR事業への参入を目指す方針を発表している
「世界的に見てもギャラクシーは最も運営がうまくいっているIR事業者だと考えている。われわれの事業の一番の基本であるカジノに対する倫理、啓発活動もしっかりと行っている。そこを徹底しなければIR事業全体の評判が落ちてしまう」
--汚職事件の影響からIRに関係する公務員や政治家と事業者の接触を禁止する方向で政府が調整している
「汚職事件は一般論として残念だが、安倍晋三首相が引き続き、IRを推進すると明言したのはよかった。公務員や政治家ら関係者との接触には既に気を付けている。モナコでは、市民やカジノオペレーターはギャンブルを厳しく規制されている。警察にも監視されており、違反すると厳しい罰則を受ける。今後、どういった接触規制ができるか分からないが、日本も含めて各国の規制は順守していきたい」
【プロフィル】ジャン=ルイ・マシュレル
仏HEC経営大学院修了。1980年仏パリバ銀行(現BNPパリバ銀)副代表、2011年モンテカルロ・ソシエテ・デ・バン・デュ・メール(SBM)最高経営責任者を経て、13年から現職。