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東京電力エナジーパートナー 価格競争からの切り替えに軸足

 東京電力エナジーパートナー社長・秋本展秀さん(51)

 --電力の小売り全面自由化から4年。首都圏の販売競争は激しくなり、顧客の流出が続いている

 「家庭用に関して言えば、当初、東京電力はシェア100%持っていたが、寡占化を防ぐ目的で競争が促されたので、シェアを落とし続けるゲームを強いられているのが実情だ。いまの状況は、厳しい状況ではあるが、起こりうる範囲内の出来事ととらえている」

 --今後の対策は

 「価格競争ではないところに主眼を切り替えないといけない。法人向けに関しては、電気料金は従前に比べて値引きしてないが、設備のメンテナンスコストを合わせ総合的には値段が安いなどの切り口はできると思っている。そこに軸足を置いていく。多少、電気料金が高くても(火力発電から再生可能エネルギーの電力を採用する)脱炭素の電力を購入したいなどのニーズもあるので、ラインアップを増やすなどしていきたい」

 --家庭用は料金に対する注目が高いのではないか

 「家庭でも環境意識が高まっているほか、昨年、一昨年の台風などで、発電所や送電線の一部が破壊されても停電を起こさずに電気が届く仕組みに注目が集まっている。かつては、ガスコンロからIHコンロに変えるのみの動きだったが、今は、電気自動車(EV)で充電した電気を自宅で、蓄電池を非常用電源として利用するなど電化住宅が注目されている。住宅メーカーなどと連携して、リースで設備を提供するような仕組みを整えたい」

 --小売り自由化でガスの分野も取り扱っている

 「2019年度に家庭用都市ガスの契約件数100万件の目標を立てていたが、200万件を超えた。17年5月に公表した『新々総合特別事業計画』で掲げた3年後に小売り事業で売上高4500億円を稼ぐという目標は、達成できそうだ」

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【プロフィル】秋本展秀

 あきもと・のぶひで 東大経卒。1991年東京電力入社。福島本部福島原子力補償相談室企画統括グループマネージャー、東京電力ホールディングス福島本部復興調整部部長代理、東京電力エナジーパートナー常務を経て、2019年4月から現職。広島県出身。

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