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「襲撃されても壊れない」2代目デビュー少し先 千葉・利根運河のビリケンさん

 大正時代から約100年間、利根運河を見守る福の神「ビリケン」の石像が、千葉県流山市東深井のほこらで壊されて2年。「襲撃されても壊れない」という金属製の2代目が制作されたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でデビューが先送りになった。

 千葉県柏市の利根川と流山市の江戸川を結ぶ全長約8.5キロの「利根運河」は明治23年に完成したが、鉄道輸送の普及などで衰退した。そこで運河運営会社の支配人が、観光を経営の柱にしようと、足の裏に触れると夢がかなうというアメリカ生まれの福の神に着目。大正2年に集客の目玉として設置したのが「運河のビリケン」の始まりだ。

 現存する石造りビリケン像では日本最古級とされる。支配人の子孫から流山市への寄贈をきっかけに、流山市観光協会が風雨から守る鋼鉄製ほこらを建て、有名な大阪・通天閣のビリケン像と同じ「ビリケンさん」と呼ばれることになった。

 平成30年3月24日、ほこらに収められたが、直後の4月2日、何者かに倒され、顔の上部が欠けているのが見つかった。修復を機に市立博物館に移された。初代は、足に触れられる状態で展示されている。

 ほこらに置く2代目を昨年、流山市観光協会が作った。銀色に輝くスズ合金製で、通天閣の金色を意識したとのことだ。初代とほぼ同じ大きさで台座から頭頂まで約44センチ、重さ約21キロ。初代では長い年月で失われた光背部分を古い写真を参考に再現。富山県内の銅像会社が制作した。費用は約150万円。募金とほこらに供えられた浄財が約163万円あり、約4.5キロと軽量な樹脂製で「出張用」の2代目レプリカも作ることができた。

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