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新型コロナで中小などが内定取り消し者救済 「乗り越えられる人材きっと優秀」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響が4月入社の新卒学生にも波及し、「内定取り消し」が増加している。こうした中、救いの手を差し伸べようと、中小・ベンチャー企業で内定取り消し者を対象にした採用選考を急遽(きゅうきょ)、始めるところが出ている。

 妊娠・子育て層向けアプリを手掛けるカラダノート(東京都港区)は大学、短大、専門学校卒業者で内定取り消しになった人を対象にした採用活動を始めた。4月に採用し、マーケティング関連の部署に総合職として配属する予定だ。カラダノートの担当者は「本人たちは悪くないのに窮地に立たされている。でもここを乗り越えられる人材はきっと優秀だと考えている」と述べ、内定が取り消された新卒者に期待を寄せる。

 カラオケやレストランの企画運営のニュートン(同新宿区)も、リゾートホテルを手がけるサンザ(同)と共同で、いったん終了していた採用活動を再開した。内定が取り消された学生を対象にしたオンライン会社説明会を既に2回実施。3回目を4月3日に開く。最大で20人を採用する計画。新型コロナ流行による安全対策のため、入社時期を5月、6月のどちらかを選べるようにした。

 このほか、北陸地方を中心にカレー店チェーンを展開するゴーゴーカレーグループ(東京都千代田区)、データ分析のデータアナリティクスラボ(同中央区)も内定を取り消された学生を対象にした採用活動を始めた。

 加藤勝信厚生労働相は29日のNHK番組で、新型コロナの感染拡大の影響で今春の採用内定を取り消された学生らが28日現在で32人いることを明らかにした。終息の兆しが見えず、世界経済の混乱が深刻化しており、2008年のリーマン・ショック時と同様に内定取り消しが相次ぐとの懸念が高まっている。(松村信仁)

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