現場の風

SOMPO未来研究所 誰もが能力発揮できる健康経営を

 SOMPO未来研究所取締役 久司敏史さんに聞く

 --健康経営を意識する企業が増えている

 「経営戦略の一環として、社員とその家族の健康を大事にする企業が増えている。生活習慣病予防ということで、たばこ、酒、肥満に目が行きがちだが、病気や障害を持つ人も働きやすく、能力を発揮できる環境づくりに取り組むことも大事だ」

 --先行する米国企業の現状は

 「生活習慣病の重症化を抑えるより、健康増進や病気予防に重点が移っている。病気で休むより、出社しても体調が悪かったり憂鬱になったりするほうが労働生産性を低下させるからで、企業のターゲットは従業員の健康づくりに移っている。このため育児や介護に加え、お金の使い方や退職後の資産形成といった経済面も含めて従業員のよろず相談に応じている」

 --事業展開は

 「SOMPOリスクマネジメントが提供する従業員の介護離職防止サービスの開発と運営支援を担っている。サービスの一つの相談窓口では複数回にわたってじっくりと、介護を行う役職員から仕事との両立についての課題や悩みを聞いて解決策を導くとともに、自ら解決する力を身につけてもらうことを目的として取り組んでいる。相談員はさまざまな社会的支援に詳しく、企業の就業実態や各種の就業規則にも精通した専門家を配置している」

 --今後は

 「検討しているのは顧客企業の人事部門との連携強化だ。従業員実態調査をもとに従業員のニーズにあった支援策の導入提案や、必要な支援策にたどり着けるような仕組みづくりを支援したい。相談サービスで従業員に対する働きかけを行うと同時に、人事部門などにも働きやすい環境づくりを提案するなどして従業員を支えたい」

【プロフィル】久司敏史

 くし・としふみ 1989年日産火災海上保険(現損害保険ジャパン)入社。2005年損保ジャパン総合研究所(現SOMPO未来研究所)などを経て、15年損保ジャパン日本興亜総合研究所(同)主任研究員、19年4月から現職。神奈川県出身。

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