□スパイキー代表取締役・栢森秀行
■ウイルス禍中における業界の自主健全性
いわゆる景品への交換率について、ぱちんこ業界ではこれを引き下げようという動きがある。これは好ましいことだと考える。他業界では長時間遊ぶ人への優遇があることが多いが、現在の交換率ではそれがない。交換率を下げることで長時間遊技に興じる人が遊びやすくなることは明白である。カジノのバカラは1ゲームでの還元率が99%でも十分利益が出る。ぱちんこも1時間あたり発射5000発に対して95%還元で現在経営がされていると思われるが、交換率を下げることでこれを99%に引き上げるのがよいと思われる。100%さえ切っていれば貯玉に制限を設けなくてもいずれ使い切り収益は確保できると考えている。
今回の新型コロナに関する件で、一部の社会秩序を乱す存在によりパチンコファンでない国民の9割に「社会的責任を果たさない業界」だと思われてしまったことのダメージは大きい。他業種より自粛率は高かったはずだが指導力を発揮したい政治家や売り上げをあげたいマスコミにアンチキャンペーンを打たれたような形だ。
ぱちんこは「当たった、当たらない」を平均すれば客のコストが1時間あたり1000円以下と映画やカラオケやボウリングなどと変わらない庶民的な娯楽だ。その程度なら小遣いの範囲の遊技のはずだが、運よく多くの景品を獲得したとき、本来は大事に使わなければならないものを、つい気分が大きくなり、夜の飲食などに浪費すれば過度な出費となる危険性はある。ぱちんこで多くの金額を失ったと考える人はそこを誤解していることが多い。人口の1%程度だと思われる極端な意見は捨象して、悪意のない一般の人々の間で誤解が広がると、パチンコファン約1000万人の趣味を、その他の約1億人が結果的に奪うという構図になる。それは民主主義である以上避けられない事態といえる。
10年に一回程度、新型ウイルスの流行があると想定するならば、社会的責任を徹底させるためにも、今のうちにいずれかのホール団体に所属しないと営業できない仕組みを考えるべきである。行政による強制執行では、業界の自主健全性に疑義がつくこととなってしまうだろう。
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【プロフィル】栢森秀行
かやもり・ひでゆき 1968年大阪府生まれ、愛知県育ち。京都大学大学院情報学研究科修了後、ダイコク電機入社。SIS分析の拡充、CR事業立上げ等を行い2012年代表取締役社長に就任。退任後転職し18年よりスパイキー代表取締役。