動き出した働き方改革

橋下徹氏×石橋博史氏(2-1)現場の課題を可視化、社内で共有

 石橋「いろいろ実態を把握してみると、今、日本の企業の課題は、企業が業務や社員を正しく管理できていないところにあるんです。これが問題なんです。現場は時間を費やして一生懸命やってる。でも、そういう人たちにも“気付き”を持ってもらいたいんです。私はトヨタ自動車のモノづくりのラインに5年間携わってきました。モノづくりの現場では業務がハッキリと目に見えるんですが、業務情報は中身が見えない。一人一人が何をやっているのか分からない。まずは、これを『見える化』することが大事だと思うんです」

 橋下「そうですね。課題を解決する黄金則は僕も『見える化』だと思います。ベンチマーク化して(一定の水準を設けて)始めるのが第一歩。働き方改革で言えば、現場がどういうメカニズムで動いているのか、他の企業と比較してどうなのか。ここを、経営者の方々にしっかり把握してほしいですね」

 石橋「ベンチマーク化については、私もその通りだと思います。今の企業は社内でのコミュニケーションができていません。共通語がないから、同じ土俵でビジネスの話ができないんです。誰とでも共通語を使って話せるようにする。それがベンチマーク化の第一歩であり、『見える化』の真の意味合いなんです。社員も部課長も経営者も同じ言葉で話せる共通語が必要だと思います。それがあれば、情報の共有化ができ、課題の解決や改革の推進についてどんどん前向きな協議ができるんです」

 橋下「今、僕は経営の中に入ってアドバイスをすることが結構あるんですが、『見える化』を実施するときは、これを定性的にやってもダメなんですね。数値に換算する定量的な手法が必要です。またコロナ禍の話になりますが、大阪府は新型コロナの感染危機状況をしっかり数値化し、しかもそれを分かりやすいように、信号機の『緑・黄・赤』で表して告知しているんです。複雑な計算式ではなく、数値を分かりやすく表示することが一番重要なんです。『見える化』は『数値』と『分かりやすさ』、この2つがポイントだと思うんです」

 石橋「確かに、誰にでも分かるように表すこと、示すことがとても大事ですね。経営者の方々にはそこに気付いてほしいと思っているんです。でも、日本の企業の経営者の方々はなかなかそういう新しい考え方を取り入れようとしないんですね。『これまでのやり方でいいや』って。橋下さんも政治の世界で経験されたと思いますが、こういう古い概念に固執する人たちが無意識のうちに抵抗勢力になってしまっているんです」

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング