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米Tモバイル株、資金化を検討 ソフトバンクG、財務改善目指す
ソフトバンクグループ(SBG)は16日、米携帯大手TモバイルUSの保有株式について、売却を含む資金化に向けた検討を始めたと発表した。3月に最大4兆5000億円分の保有資産を現金化して財務基盤を改善する方針を示しており、その一環だ。
保有株の売却は、Tモバイルや親会社のドイツテレコムとの取り決めで制限されており、両社と協議を進める。協議の結果や取引価格によっては資金化を実施しない可能性もあるとしている。SBGの連結子会社だった米携帯会社スプリントとTモバイルが4月に合併。SBGはTモバイル株の約24%を保有している。
SBGの財務改善策をめぐっては、通信子会社ソフトバンクの株式売却で約3100億円をすでに確保したほか、中国IT大手のアリババ株を活用して1兆2000億円超を調達することも発表している。資金は負債の削減や自社株買いに充てる。
ファンド事業の投資先の企業価値が下落したことが響き、SBGの2020年3月期連結決算は、最終損益が9615億円の赤字に陥った。