リーダーの視点 鶴田東洋彦が聞く
大豊建設・大隅健一社長(2-1) 2つの特殊技術でインフラ支える
次代背負う人材育成
--100年企業のイメージは
「2つの特殊技術に強みを持ちながら、小回りが利く企業、社会から必要とされ、役に立つ企業を目指す。さらに若い社員が夢を持てる企業でありたい。そのためには風通しが良い社内環境をつくり、社員一人一人の働きがいに寄り添い、誰もが挑戦し活躍できるようにしたい。本社もリニューアルでIT環境を整備し、働き方も効率化できるように変えた」
「技術に立脚し、技術に裏打ちされた企業としてスタートしており、特殊技術の深化と進化による技術伝承と、この技術を使いこなせる技術者を育てる。会社は人材が全てであり、人材育成に最も力を入れる。茨城県阿見町に技術研究所を開設したのもそのためだ」
--次代を背負う人材の獲得は
「70周年を機に、知名度向上に向け広報活動に力を注いだ。そのかいあって今年4月には53人を採用することができた。例年は40人前後なので効果があったといえる。しかもベトナム人男性(土木技術者)、ミャンマー人女性(建築技術者)を採用できた。外国人の新卒採用は初めて。ベトナム人男性は『(大豊は)高度の技術力を持っている。働きながら技術力を向上させ社会インフラ整備に貢献したい』と、ミャンマー人女性は『現場監督に興味がある。若手に責任ある仕事を任せてくれると聞いてこの会社で働きたいと思った』と入社理由を話した。2人とも『将来は海外拠点で働きたい』と意欲的なので、非常に頼もしい」
【プロフィル】大隅健一
おおすみ・けんいち 宇都宮大学農学部卒。1974年大豊建設入社。2008年執行役員、10年取締役常務執行役員、同専務執行役員、同執行役員副社長などを経て17年代表取締役執行役員社長。68歳。埼玉県出身。