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コロナがもたらす流通業界「後発組」の勝機 生き残りかけた“脱皮”

 「ついで買い」取り込む

 少子高齢化を背景に中高年からの需要が見込める金融事業は新規参入や競争の激しい「レッドオーシャンの市場」(高島屋の村田社長)だ。生き残りに向け、“後発組”といえる多くの流通各社が着目するのは、商圏が消費者の居住地周辺へと縮小しているという環境変化だ。

 取り込むのは「買い物ついでに金融サービスを利用する」という客層だ。

 セブン-イレブン・ジャパンは三井住友海上あいおい生命保険と連携し、6月から業界初となるコンビニエンスストアでのがん保険販売に踏み切った。イオンの商業施設と隣接するイオン銀行品川シーサイド店(東京都品川区)も、6月下旬の週末、「新規の個人客で住宅ローン相談が出てきた」(店長)と手応えを口にする。

 また、流通系のカード事業はこれまで、ポイント特典などを受けられる店舗が限定され広がりに欠けていたが、消費行動が小商圏内で行われるなら「ポイント経済圏」を作りやすい。消費者も「身近にある店舗の多くで使えるポイントなら利用しよう」となる。

 大丸松坂屋百貨店を運営するJ.フロントリテイリングは、百貨店やパルコなどの商業ビルなどで使えるグループ共通のポイントプログラムを計画する。東京・上野や心斎橋などグループ内の異業態店舗が徒歩数分の場所にあるほか、名古屋・栄は1キロ圏内に松坂屋、パルコなど8館に加え、新商業施設もオープン予定で「Jフロント経済圏」を確立する狙いだ。

 グループのクレジット事業を統括する二之部守JFRカード社長は「これらの地域とは一緒にイベントを作って来た歴史がある」として、商店街との連携も積極的に進めていく意向を示す。「目指すは商業施設だけのカードではなく、街のカード。『この街に来たらこのカード持っていた方が得だよね』と思ってもらえる仕組み作りです」

 モノやサービスにお金を払う消費行動が映し出すのは、消費者のライフスタイルや興味・関心そのもの。そんな金融サービス事業者にとっての“宝の山”を活用しきれていなかった流通業界。消費者の選別の目が厳しさを増す中、生き残りをかけての“脱皮”が始まろうとしている。(佐久間修志)

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