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新型コロナ直撃で流通6社減収 生活様式の変化が押し下げ要因に

 流通大手6社の2020年3~5月期連結決算が9日、出そろった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言などを受け、店舗休業や営業時間短縮を実施した影響で、前年同期に比べ全社が減収、最終損益も4社が赤字に転落した。高島屋とイオンを除く4社は21年2月期の通期業績見通しを改めて示したが、コロナの収束時期が見通せないほか、消費者の生活様式の変化が押し下げ要因となっている。

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は、新型コロナの影響により、セブン-イレブン・ジャパンで約95億円、海外コンビニ事業で約32億円、百貨店事業(そごう・西武)で約8億円のマイナス影響を営業利益ベースで受けたと分析。新型コロナによる295億円を含め、406億円の特別損失を計上した。

 ローソンは最終損益が41億円の赤字(前年同期は71億円の黒字)に。コンビニ事業やエンターテインメント関連事業が、コロナ禍で休業・休館に伴う費用など計22億円の特別損失を計上したことが響いた。8日公表のイオンも新型コロナ対応で発生した人件費や固定費など計約299億円を特別損失に含めている。

 21年2月期の業績見通しでは、大丸や松坂屋を運営するJ.フロントリテイリングは従来予想で50億円の黒字としていた連結最終損益を260億円の赤字に下方修正。赤字はJフロント設立以来初めてとなる。ファミリーマートは4月発表の増収増益予想を修正、新型コロナ関連で売上高で230億円の減収影響が出るとしている。

 通期見通しを初公表した2社の最終利益予想は、セブン&アイは前期比45%減の1200億円、ローソンも75.1%減の50億円を見込んでいる。

 ■流通大手6社の2020年3~5月期決算

 (売上高/営業(事業)損益/最終損益)

 高島屋

  1162(▲48.0)/▲73(-)/▲205(-)

 J.フロントリテイリング

  1134(▲58.6)/▲38(-)/▲203(-)

 イオン

  2兆762(▲1.9)/▲125(-)/▲539(-)

 セブン&アイ・ホールディングス

  1兆3918(▲12.8)/713(▲21.0)/139(▲73.2)

 ローソン

  1553(▲13.1)/26(▲81.6)/▲41(-)

 ファミリーマート

  1117(▲15.9)/89(▲54.0)/57(▲71.5)

 ※単位:億円、▲はマイナス。カッコ内は前年同期比増減%、-は比較できず

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