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セブン&アイ海外展開を加速 日本企業歴代4位の大型買収で

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は3日、米石油精製大手マラソン・ペトロリアム(オハイオ州)傘下で、コンビニエンスストア運営会社スピードウェイを買収する契約を締結したと発表した。買収総額は210億ドル(2兆2176億円)。取得完了は2021年第1四半期(1~3月)を予定する。国内企業による海外企業買収額では歴代4位となる大型買収により、成長の柱と位置付けるコンビニ事業の海外展開を加速する。

 セブン&アイHD子会社の米セブン-イレブンは米業界首位で、米国本土で約9000店(19年12月現在)を展開する。一方、買収するスピードウェイはガソリンスタンド併設型のコンビニで、36州で約3900店を運営する業界3位。24年度にはセブン&アイHDの連結営業利益を1000億円程度押し上げる効果を見込む。同日開いた電話会見で、セブン&アイHDの井阪隆一社長は「コンビニを軸にした真にグローバルリテーラーとなる大きな一歩を踏み出す歴史的な統合になる」と述べた。

 スピードウェイ買収をめぐっては、マラソン・ペトロリアムが株主の米ヘッジファンドから経営効率の改善を求められたことで、スピードウェイ部門の切り離しを模索。セブン&アイHDはスピードウェイ取得に向けた交渉に入ったが、価格面で折り合わず、今春にいったん買収を断念した。

 その後、コロナ禍に伴う需要減が米石油企業の業績を直撃。マラソンは20年1~3月期に過去最大となる92億ドルの最終赤字を計上し、再び売却にかじを切ったとみられる。

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