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疫病退散の歴史味わって 茨城・結城市、名物「ゆでまんじゅう」に期待

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、茨城県結城市で名物の和菓子「ゆでまんじゅう」に感染収束への願いを託す動きが出ている。歴史的な経緯から、疫病退散の御利益に期待しようと市はホームページ(HP)上で製造店舗を紹介、PRに努めている。(谷島英里子)

 もちもちした食感の皮であんを包んだ同市の銘菓ゆでまんじゅう。結城市商工観光課によると、江戸末期に疫病が流行し、当時の殿様が病払いのためみこしを奉納した際、民衆に振る舞ったのが始まりだとされる。以来、市内の夏祭りでは各家庭でゆでまんじゅうを供え無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)を願うようになったという。

 商工観光課は新型コロナ収束への願いを込め、市のHP上に、ゆでまんじゅうを製造販売している市内の和菓子店7店舗を紹介する「ゆでまんじゅう食べ歩きマップ」を公開した。和菓子店はJR水戸線結城駅北側に点在しており、店によって皮とあんの特徴などが異なることから「各店の味わいを楽しみつつ、病払いしませんか」とPRしている。

 その一つ、手作り和菓子処「真盛堂」(結城市)は、ゆでまんじゅうを昭和30年代ごろから販売。小麦粉や餅粉に熱湯を注ぎ、手作業で混ぜて生地をこね、あんを包んで蒸し上げている。

 真盛堂の石川真智子取締役によると、近年は作り手が減少しているため店で購入する人が多く、新型コロナの影響で、ゆでまんじゅうの由来を知った人もいるという。石川取締役は「感染の収束を願いつつ歴史も感じながら味わってほしい」と話している。

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