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物流投資が通販拡大で活発に コロナ禍が追い風、将来価値向上の思惑も

 物流施設への投資が活発になっている。新型コロナウイルスの流行で外出自粛の動きが広がり、インターネット通販の利用が増えたことが背景にある。不動産事業者や投資家には、コロナ禍で逆風が吹き始めたオフィスや商業施設などと比べ、将来的に価値の向上が見込めるのではとの思惑もある。

 当初予定額から倍増

 7月下旬、大阪府茨木市で大和ハウス工業が開発する物流施設「DPL茨木」の工事現場を訪れると、11月末の完成を目指して高所作業用の安全帯を装着した作業員らがせわしなく歩き回っていた。

 施設は高速道路の出入り口や駅から近いこともあり、労働力を確保しやすいのが売りだ。広報担当者は「テナントは既に埋まっている。建設中の他の新規物件も人気だ」と話す。

 ネット通販が好調なことを踏まえ、2019~21年度の投資計画の見直しを6月に発表した大和ハウス。物流施設を中心とする事業施設への投資額は6500億円で、当初掲げていた3500億円の2倍近くに引き上げた。競合する日本GLP(東京)やオリックスは従来通りの投資方針を維持するものの、ネット通販が倉庫の需要を高める牽引(けんいん)役になるとの考えは共通している。

 不動産サービス大手のCBRE(東京)の調べでは、複数の企業が入ることができる大型物流施設の6月末時点の空室率は首都圏が0.6%、近畿圏が4.8%で、新型コロナ流行前からの低水準が続く。業界関係者は「需給が逼迫(ひっぱく)した状況は当面解消されることはないだろう」と予測する。

 不動産投信で存在感

 コロナ禍でサプライチェーン(調達・供給網)が寸断された企業が在庫を積み増そうとしていることも物流施設の開発を促進している。

 政府が旗振り役となる製造拠点の国内回帰の取り組みが今後本格化する可能性もあり、物流施設を手掛けるプロロジス(東京)の広報担当者は「倉庫面積を増やす動きは数年がかりで進んでいく」とみる。

 不動産投資信託(REIT)市場では、景気が落ち込む中でも物流施設を扱う銘柄への資金流入が堅調で存在感が高まっている。物流施設に特化した日本プロロジスリート投資法人(東京)は、オフィス中心の日本ビルファンド投資法人(東京)を抜き時価総額でトップに躍り出る場面が目立つようになった。

 東海東京調査センター(名古屋市)の仙石誠シニアエクイティマーケットアナリストは「新型コロナによる需要低下の可能性が他の不動産と比べて低いと判断された」と分析していた。

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