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ワントゥーテン サイバーウィルでパラ選手の能力体感

 ワントゥーテン社長・沢辺芳明さん(46)

 --仮想現実(VR)など最先端技術を活用し、パラリンピックの陸上競技用車いすに似せた装置「サイバーウィル」を開発した。プレーヤーは両腕で車輪に見立てた円盤を回転させ、頭部に装着したVRゴーグルから見える400メートルコースを滑走する

 「ゴーグルに映し出されるのは、トラック車両にレーザー機械を積んで東京都内を実際に計測したデータを基に作成されたCG映像だ。2100年の東京の街並みを再現した。スタート地点の都庁から新宿・歌舞伎町、お台場など東京の名所を通る仮想空間だ」

 --開発のきっかけは

 「パラリンピアンの身体能力の高さを分かりやすく伝えたいと思った。初号機の機能は基本的には直進のみだったが、その後改良した。上り坂と下り坂で重さが変わって減速したり加速したり、対戦できる機能も付けた」

 --東京を中心に展示会などを開き、一般の人が体験できる場を提供してきた

 「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、展示会開催の見送りが続いている。海外を含め各地で展示や販売の予定があったが、開催できず残念だ」

 --海外からも問い合わせがあるか

 「東南アジアや中国などからある。サイバーウィルを手や腕を鍛えるルームランナーとして導入したいとのスポーツジムからの問い合わせもあった。パラスポーツにとどまらないこうした視点が日本でも広がればと思う」

 --サイバーウィルのほか、パラリンピック球技のボッチャを体験できる「サイバーボッチャ」を開発した。次に開発の基にしたいパラスポーツは

 「車いすテニス、車いすバスケットボール、ウィルチェアラグビーが体験できるものを作りたい。サイバーウィルを転用しやすい共通性があるからだ」

【プロフィル】沢辺芳明

 さわべ・よしあき 京都工芸繊維大在学中の1997年、ワントゥーテンの前身となるデジタル広告制作会社を起業。2015年、日本財団パラリンピックサポートセンターの施設デザインを担当し、16年から東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会アドバイザーを務める。東京都出身。

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