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「第3のビール」間もなく値上げ 家計に秋風、買いだめも

 酒税法改正により10月1日から「第3のビール」の税率が引き上げられる。350ミリリットル缶あたり約10円の増税となるが、半数以上が税率改正を「知らない」と答えた調査結果もある。スーパーなどでは増税を知らせるポスターなどを設置して駆け込み需要に対応するほか、消費者の一部では買いだめの動きも。新型コロナウイルス禍による家飲みの増加で需要が伸びる中、家計にはどのような影響が出るのか。(土屋宏剛)

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 《10月から第3のビールの酒税が上がります!》

 24日午後、大阪府茨木市のスーパー「アル・プラザ茨木」の酒売り場にはこんなポップが掲げられ、まとめ買い需要に対応するため、350ミリリットル缶24本入りのケースが山積みになっていた。

 奥田高行・食品店長によると、駆け込み需要は9月中旬ごろから始まった。メーカー側が1ケースを購入するごとにスナック菓子を付けるキャンペーンなどを始めたこともあり、「増税ギリギリまで購入希望者が増えると思う」(奥田さん)。

 2ケースを購入した茨木市の男性会社員(58)は「普段は1ケースだが、値上がり前にまとめて買っておこうと思った」と話した。

 他の小売店でも需要増を見込んだ動きが広がる。スーパー大手のライフコーポレーション(大阪)は、新聞の折り込み広告で10月からの税制改正を明記したり、売り場でチラシやポスターを使って周知したりしていた。酒類専門店チェーン「やまや」(仙台)では在庫量を増やし、ケースを店頭に山積みにするなどして対応している。

 令和8年に統一

 複雑な日本の酒税体系を簡素化する10年がかりの酒税改革は、平成29年度の税制改正大綱で決まった。

 現在、ビール系飲料の税率は3つに分類されている。ビール(350ミリリットルあたり77円)と発泡酒(同約47円)、第3のビール(同28円)だ。

 税率は今年10月1日から段階的に見直され、ビールは約7円引き下げられるのに対し、価格の安さで支持される第3のビールは約10円引き上げられる。令和8(2026)年にはビール、発泡酒、第3のビールの酒税は統一され、いずれも54・25円となる。

 ただ制度への認知度は決して高いとはいえない。サッポロビール(東京)が今夏に実施したアンケートによると、10月の税率改正を「知っている」と答えたのは45%にとどまり、「知らない」は55%だった。

 新型コロナ禍に伴う家飲み需要を牽引(けんいん)してきた第3のビールの値上げ。流通アナリストの渡辺広明さんは家計への影響について「第3のビールを好む層は、もともと節約志向が強い消費者だといえる。特にコロナ禍で収入が減少している家庭ではダメージが大きいだろう」と指摘する。一方でビールの酒税が下がることもあり、「ビールに乗り換える人も出てくるかもしれない。ビール類の価格の変化は、消費者に新たなメリットを生む可能性もある」とした。

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