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富山の高岡銅器、アニメキャラなど新機軸に挑む 銅像需要減で継承課題に対応

 富山県高岡市で江戸時代から続く伝統工芸「高岡銅器」は、仏像や人気アニメのキャラクターなど、国内の銅像の約9割を地元の職人が手掛ける高い鋳造技術で知られる。しかし近年は需要減少や後継者不足などの課題も。鋳物メーカー社長の梶原敏治さん(69)は「長い歴史で培った技を後世に伝えたい」と話す。

 高岡銅器は、江戸時代に加賀藩藩主が職人を呼び寄せ、工場を開かせたのが始まりとされる。仏像や仏具、花器といった国内の青銅器の多くが高岡製で、最近は洗練されたデザインの生活用品も注目されている。

 1902年創業の「梶原製作所」は、72年札幌冬季五輪の聖火台や東京・浅草の浅草寺の釣り灯籠、山口県萩市にある幕末の志士高杉晋作の像など、多くの人の目に触れる銅像をつくった実績がある老舗。原型づくりから仕上げまで、各分野の熟練した職人による一貫製作が強みだ。

 ただ、銅像の注文はバブル期をピークに減少傾向。近年はスズ製の小鉢や酒器などのテーブルウエアの人気に押され、後継者探しも難航しているという。梶原さんは「現代の生活様式がもたらした結果だろう。ただ、銅像の魅力の理解者は少なからずいる」と話す。

 梶原製作所では、アンパンマンのキャラクターのモニュメント製作や、美術作家による彫刻作品の鋳造を手掛けるなど、高い技術力でさまざまな依頼に挑戦している。

 新しいものづくりに挑む原動力は「高岡でなければ、日本中どこでも実現できない」という、実績に裏打ちされたプライドだ。梶原さんは「銅像は一度つくったらそうそう壊れない。数百年後にも残すつもりで、これからも続けていきたい」と話した。

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