金融

東証終日売買停止、バックアップ作動せず

 東京証券取引所で全株式の取引が1日、終日停止した。株式売買システム内のハードウエアが故障した上に、バックアップへの切り替えが正常に行われなかったことが原因だった。システムは昨年11月に刷新されたばかりで、ハードの老朽化は考えにくいが、巨大システムに部分的な機器の故障は付き物であり、それを前提とした再発防止策の強化が求められる。

 今回トラブルを起こしたのは富士通が開発・設計した株式売買システム「アローヘッド」。平成22年に稼働を開始し、取引の高速化に対応し、昨年11月に処理能力の向上などシステムを全面的に刷新していた。

 東証によると、1日午前7時4分に、IDやパスワードといったシステム全体で使用されるデータを記憶する「共有ディスク装置」内のメモリーが故障。通常ならばバックアップ用の「共有ディスク装置」に自動的に切り替わるが、何らかの不具合で切り替わらず、相場情報の配信や株式売買の監視システムにトラブルが波及した。共有ディスク装置は外部とは直接接続しておらず、ネットワークの常時監視もしており、サイバー攻撃の可能性はないとみられる。

 富士通は、故障したメモリーを交換した上で、バックアップへの切り替えが正常に行われなかった原因を解析しているが、今のところ原因は不明。同社は「当社が納めたハードウエアに障害が生じ、多大なるご迷惑をおかけしたことをおわびする。東証と連携して再発防止に努めたい」とのコメントを発表した。

 ただ、システム内の機器の故障は随時発生しており、売買に影響が出ない範囲で機器の交換も行われているのが実態だ。「コンピューターは壊れるものということを前提にバックアップの仕組みを構築している」(東証幹部)という。

 独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)の山下博之グループリーダーは「バックアップへの切り替えができない事態を想定し、普段から定期的に何もなくても切り替える運用ももある」として対策の徹底を指摘している。(桑原雄尚)

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