遊技産業の視点 Weekly View

気になるオンラインパチンコの動き

 □ワールド・ワイズ・ジャパン代表、LOGOSプロジェクト主幹・濱口理佳

 コロナ禍にあって、さまざまな事業者がオンラインに活路を見いだそうとしている。しかしながらパチンコ・パチスロという娯楽はリアルでの遊技提供のみ。オンラインパチンコ・パチスロといえば、シミュレーションゲームとして実機を楽しむものが主流であった。

 だが2年ほど前から、遠隔操作でパチスロ実機をプレーする「アミュライブ」や、2.5次元パチンコをうたった「ニコハン」というオンラインサービスが登場した。しかし、版権の問題などで機種ラインアップが貧弱にならざるを得ず、景品との交換もできない背景で、アミュライブは2019年秋にサービスを終了、ニコハンは20年春にサービスの無期限休止を発表した。

 そのようななか、Net IB Newsが9月9日に「オンラインパチンコ『爆PACHI』始動、法定通貨との交換も可能」と伝えた。記事によると、フィリアウェルスエンターテイメントという会社が、次世代型ワールドオンラインゲーム市場「GORAKU・WORLD」内にオリジナル・オンライン爆裂パチンコ&パチスロサイト「爆PACHI」を導入するという。しかも、「日本の大衆娯楽として依然根強い人気を誇るパチンコ・パチスロを、オンラインゲームとして世界中で楽しめるようにすることで、日本の娯楽文化を世界に広めること」を目的にした導入と伝えられていた。

 「爆PACHI」のような形態になると、もはや「大衆娯楽ぱちんこ」とは似て非なるものである。同サイトでは24時間365日体制で、ギャンブルの一つとしてパチンコやパチスロ遊技がオンラインで提供されることになるからだ。リアルの遊技業界とは無関係なところでパチンコ・パチスロが、大衆娯楽とうたわれながらオンラインギャンブルの一つとして扱われることは決して歓迎されることではない。

 さらに言えば、遊技業界が警察庁の所管で提供してきた日本独自の娯楽文化であり大衆娯楽であるパチンコ・パチスロのふさわしい在り方に思いを巡らせながら、遊技産業として大衆娯楽の範疇(はんちゅう)でオンラインでも遊技を提供できる環境整備について議論する時期に来ているのかもしれない。

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【プロフィル】濱口理佳

 はまぐち・りか 関西大学大学院文学研究科哲学専修博士課程前期課程修了。学生時代に朝日新聞でコラムニストデビュー。「インテリジェンスの提供」をコアにワールド・ワイズ・ジャパンを設立。2011年、有志と“LOGOSプロジェクト”を立ち上げた。

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